コンサート 感想


やや詳しく書いたコンサートの感想です。(友人宛のメールからの引用)

概要については、 コンサート寸評をご覧ください。


カエリヤマ・ファイナル・コンサート参加記 (2004/11/28 名古屋市民会館)

カエリヤマ・ファイナル・コンサートに、 マンドリン・オーケストラの一員(1st Mandolin)として出演しました。 この記念すべきコンサートに参加できたことを、本当に嬉しく思っています。
2004年8月から11月にかけて計9回の練習があり、 練習会場の名古屋市内まで、はるばる埼玉北部から通いました。 そして練習後に毎回、その日の状況について、 友人(学生時代の演奏仲間)に宛ててメールしていました。
後で読み返してみて、 このコンサートが仕上がってゆく様子にご興味のある方もいらっしゃるかと思い、 また個人的にも懐かしく思い出されるため、ここに転載することにします。

参加表明 (2004/05/06)
To: 名大ギタマン32代
Date: Thu, 6 May 2004 21:26:58 +0900

紺野です。
例のカエリヤマ・コンサート、思い切って私は参加申込してしまいました。
名古屋まで通うのは結構大変そうですが、久しぶりの合奏を、 非常に楽しみにしています。

譜面到着 (2004/05/14)
To: 名大ギタマン32代
Date: Fri, 14 May 2004 08:06:45 +0900 (JST)

紺野です。
カエリヤマ・コンサートですが、パート譜(協奏詩曲と Ouverture Historique No.2)が届きました。 驚いたことに、手書き譜面のコピーではなく、 きちんとプリンタ印刷された、見やすいものでした。
三楽章第5番がどんな曲になるのかも含めて、本当に楽しみです。

第1回練習 (2004/08/14)
To: 名大ギタマン32代
Date: Sat, 14 Aug 2004 18:40:27 +0900

紺野です。こんばんは。 今、名古屋→東京の新幹線の中です。 今日は例のカエリヤマコンサートの初練習の日で、 9時からの練習のために朝4時起き、先ほど終わっての日帰りコースです。
帰山さんと国作さんの指揮で、Historique2と協奏詩曲、新曲2曲 (YI-ER-SAN、三楽章第5番の1楽章)をみっちり練習しました。 YI-ER-SANは美しい小品です。中国語で123の意味の由。 一方、三の5の1は極めて難解かつ演奏至難でした。 vn/vc/fl/fg/percが賛助に加わるそうです。お楽しみに。
また指さえ入っていない状況ですが、ご両氏の魅惑の指揮ぶりのせいもあって、 久し振りの合奏(しかも大編成)はまさに至福の時で、 こんなに楽しい事がこの世に他にあるだろうか、と言う感じ(ちょっと大袈裟か)。
間もなく都内に着くので、これにて失礼。

第2回練習 (2004/08/29)
To: 名大ギタマン32代
Date: Wed, 18 Aug 2004 18:46:55 +0900 (JST)

紺野です。カエリヤマ語録を。
(「協奏詩曲」の演奏前に) どうしても一度はヴァイオリン独奏での演奏を聴いてみたいと思っていた。 それができないと死んでも死にきれない気分だった。 私を死なせたくなかったら、誰か上手いマンドリン奏者を連れてきてよ (紺野註: どうやら過去のマンドリン独奏者への不満がある模様)。 ヴァイオリンでどんな風になるのかは、やってみないと分からない。
(国作さんが振る「Ouverture Historique No.2」を後方で聞きながら) これを作曲した頃の心境はさっぱり思い出せないけど、いかにも若いね。
(「三楽章第5番」の演奏前に) この曲と、三十年以上前に書いた「歴史的」とが、 一緒に演奏されてしまうとは、すごいことだ。 今、第2楽章と第3楽章を同時に作曲しているが、 書き進めるにつれて気分が若返ってきている。 3連符の所は物凄く弾きづらいらしいけど (紺野註: 他人事のように言うな!)、管が同じ音を吹くので大丈夫。

第3回練習 (2004/09/11)
To: 名大ギタマン32代
Date: Sat, 11 Sep 2004 18:07:28 +0900

紺野です。こんばんは。今日はカエリヤマ練習の3回目で、 今は帰りの新幹線の中です。 帰山ファンの皆様に、いくつか新情報をお届けしましょう。
今回、三楽章第5番の第II楽章が完成してきました。 難解な第I楽章に比べれば多少は掴み易く、そして美しい音楽でした。 作曲者自身が主要部と言う後半部分の高音弦の調和など、まさしく美の極致です。 この曲の初演に参加できることを改めて嬉しく思います。
あと、「ファイナル」コンサートの意味するところについて。帰山さんは、 別に作曲家をやめて引退するとかではないそうです。 ただ、「三楽章」シリーズのような大作を書くのはこれで最後にすることと、 自作自演の作品発表会は今回で終り、と言う事のようです。
何れにしても、貴重な演奏会になりそうなので、 どうぞ皆様聴きにきてください。11月28日(日)、名古屋市民会館(中ホール)です。
近頃また本業がハードで、月2回の練習通いは体力的にも少々きついのですが、 あと約3ヶ月頑張るつもりです。では、また。

第4回練習 (2004/09/23)
To: 名大ギタマン32代
Date: Thu, 23 Sep 2004 17:47:15 +0900

紺野です。今日もカエリヤマ練習で、 毎度ながら帰りの新幹線の中でこれを書いています。
今日はチケット(とチラシ)が配られました。 入場料は、前売り2000円、当日2500円です。 前売券をご希望でしたら、私まで一言よろしく。 なおチケットノルマ制ではないので、売上金は私の懐に入る訳ではありません。
今日でまだ4回目の練習でしたが、意外にどの曲も 結構サマになってきています。なかなかハイレベルの集団だと思います。 しかし不安材料もあって、まだ三の5の第III楽章は完成していませんし、 ヴァイオリンを含む賛助楽器は計2回しか練習に加わらないようです。
ほぼ隔週の名古屋通いは(楽しいものの)体力的には少々厳しく、 しかも本業の方も繁忙期で、最近ちょっと疲れ気味です。 毎日薬物依存(ビタミン剤)です。では、また。

第5回練習 (2004/10/10)
To: 名大ギタマン32代
Date: Sun, 10 Oct 2004 18:30:43 +0900

紺野です。こんばんは。今日もカエリヤマ練習で、例によって日帰りです。 連休のせいか、昨日の台風のせいか、新幹線は混んでいて、 往路は座れずひどく疲れましたが、復路は何とか席を確保しました。
ちなみに、三の5の第III楽章は、まだ今日も完成していませんでした。 ゲネプロを含めてもあと4回しか練習がなく、さすがにちょっと心配です。 あるいは当日、「間に合いませんでした」と 舞台上で謝る作曲者の姿を見られるかも?
次回の練習にはヴァイオリンのソリストが初参加です。 協奏詩曲がどんな風になるのか、非常に楽しみです。 毎回、合奏が終わってしまうと、何となく淋しい気分になって仕方ないです。 私事ばかりですみません。では、また。

第6回練習 (2004/10/31)
To: 名大ギタマン32代
Date: Sun, 31 Oct 2004 18:06:49 +0900

紺野です。こんばんは。例によってカエリヤマ練習の帰路の車中です。
ついに三楽章第5番の第III楽章が完成しました。 ほぼ4/4拍子のAllegroで駆け抜ける、非常に推進力のある音楽です。 Mandolinとしては常識外れな運指(全弦セーハとか)はあるものの、 曲そのものは難解ではなく、 あまりややこしい事を考えなくても何とかなりそうなのですが、 あと1ヶ月しかないのが結構厳しいところです。 ラストはちょっと意外な感じかも。ご期待ください。
それから、協奏詩曲のViolinソロが初参加しました。 若く表情豊かな女性奏者です。非常に熱い演奏ぶりで、 ソロパートの楽譜がかなりViolin用に改作してあることもあって、 予想より遥かによい曲になっています(Mandolinソロよりむしろよい位かも)。 後方で弾いていて、非常に気分がよいです。これもお楽しみに。
6時間以上も集中して演奏すると、いくら楽しいとは言えさすがに疲れます。 まだ東京まで1時間以上あるので、ではおやすみなさい。

第6回練習の追記 (2004/11/01)
To: 名大ギタマン32代
Date: Mon, 01 Nov 2004 15:47:19 +0900 (JST)

紺野です。 昨日の練習風景について追記。
violinソロの平田文さんは、なかなか表現意欲に富んだ人で、 何だかツィゴイネルワイゼンかと思うような熱っぽさで、 身振りも大きく弾いていて、見ているだけで気分が高揚してきます。 好感の持てる奏者です。
旋律線を大きく捉えるのがお好みの傾向らしく、 一方帰山さんは細か目のアーティキュレーションがお好みで、 実演を交えながらの二人の打打発止のやりとりが、興味深く面白かったです。
この日は、この協奏詩曲の集中練習と、 完成したばかりの三の5のIIIがあったために、 合奏時間の大半を帰山さんが振り続けることになりました。 さすがの帰山さんもお疲れのご様子で、 終盤は指揮台の上に椅子を置いて座って指揮していたのですが、 ついに最後の30分ほどは、国作さんに指導を押し付けて休息に入ってしまいました。
しかし国作さんもさすがで、初めての曲でよく分からないとか言いながらも、 総譜を見ながらしっかり振り通してしまいました。

第7回練習 (2004/11/07)
To: 名大ギタマン32代
Date: Sun, 7 Nov 2004 18:12:31 +0900

紺野です。こんばんは。恒例(?)のカエリヤマ練習報告です。
今日は初めて三楽章第5番の全曲を通しました。 第III楽章は先週出来たばかりですが、もう残り時間が少ないので、 弾ける弾けないに関わらず容赦なくインテンポで流します。 お陰で、難しい所は適当に誤魔化しつつ、 ノリノリの所は思う存分に乗って弾けるので、甚だ気分がよろしいです。 この三楽章第5番、かなりよい曲のような気がしてきています。 本番は是非聴きに来てください。
帰山さんとしては、この曲は他に比べて2倍疲れるそうです。 と言うのも、昔作った曲だと(作曲した時の心境を忘れているので) 単に指揮者として構えていればよいのですが、 新曲の場合には作曲者と指揮者という両方の立場で 曲と対峙しなければならないそうで。 加えてやはりお歳のせいもあるでしょうか、今日も相当に消耗されたご様子で、 また指揮台の上に置いた椅子に座って指揮していました。
それから、本当は予定ではなかったのに、 ヴァイオリン独奏の平田さんが飛び込み参加しました。 協奏詩曲で前回気になったままの所をやっておきたい由。ありがたや。 今日も帰山さんとの間で演奏についての熱い議論があり、 とりわけイメージを伝えるために帰山さんが出す色々な比喩が なかなか意味不明で面白かったです。
ついに次回(再来週)は、エキストラが総勢で参加します。 ヴァイオリン、ヴィオロンチェロ、フルート、ファゴット、パーカッションです。 物凄く楽しみ。
これまで多大な労力と出費を注ぎ込んできたカエリヤマ練習も、 残す所あと2回となってしまいました。あっけないものです。では、また。

第8回練習 (2004/11/21)
To: 名大ギタマン32代
Date: Sun, 21 Nov 2004 17:45:45 +0900

紺野です。こんばんは。また名古屋→東京ののぞみ号の車中です。 今日はカエリヤマ練習の第8回目、ゲネプロを除けば最終練習でした。
今回は、「三楽章第5番」の賛助が初参加しました。 何れもプロの奏者で、小牧市交響楽団のメンバーだそうです。 ヴァイオリン、ヴィオロンチェロ、フルート、ファゴットの4人と、 打楽器3人(ティンパニ、シロフォン、グロッケン、シンバル、トライアングル)、 なかなか豪華です。
全体編成で演奏したのは今回が初めてでしたが、 改めてよい曲だと認識を新たにしました。特に終楽章での打楽器の効果は絶大で、 元々熱っぽい曲がますます勢い付いています。 さすがプロだけあって、最初からほぼ問題なくすらすら通ってしまいました。
それから、今頃になってアンコール曲が出来てきました。 数分の美しい音楽です。 これを聴いて、「あ?」と気付いた人はなかなかの通、 「ああ!」と納得してしまう人は相当のマニアだと思います。お楽しみに。
いよいよ今度の土曜がゲネプロ、翌日が本番です。 一連の名古屋行脚も、あと1往復を残すのみ。あっけないものです。では、また。

第9回練習(ゲネプロ) (2004/11/27)
Date: Sat, 27 Nov 2004 20:43:04 +0900

紺野です。こんばんは。今、名古屋に来ています。 今日が最終練習で、明日がいよいよ本番なのです。
4ヶ月間、ほぼ隔週の名古屋通いはエライ(名古屋弁)事でしたが、 これで終わりだと思うと、あっけなくて、何だか淋しい気分です。 総勢80人超の大編成での合奏は滅多にない機会で、本当に愉悦の極みでした。
明日はあまり緊張せずに、思う存分に弾けるようにと願っています (緊張性なもので…)。もう一息頑張ります。


カエリヤマ・ファイナル・コンサート ゲネプロ休憩時間

演奏会本番 (2004/11/28)
To: 名大ギタマン32代
Date: Sun, 28 Nov 2004 21:17:46 +0900

紺野です。カエリヤマ・ファイナル・コンサート、終わってしまいました。 聴きに来てくださった皆さん、本当にありがとう。嬉しかったです。
皆さまの感想を聞いた感じでは、三楽章第5番はよく分からず、 協奏詩曲はよかったとのこと。 三の5は確かに一度聴いて分かるような曲ではないので、仕方ないかな。 ヴァイオリン版協奏詩曲の好評は、予想通りでした。 アンコールは、誰も「あ?」とは思わなかったそうです。 皆さん修行が足りないぞ(笑)。
私自身は、思い切り弾けた事による満足感は勿論あるものの、 心血注いだ大イベントがとうとう終わってしまった事による喪失感が大きく、 淋しいような、泣きたいようなで、ついつい呆然としがちです。
振り返ってみて、この数ヶ月の合奏経験は、 あまりにも夢のようなひと時でした。 信奉する作曲家の記念公演に参加できた事自体もそうですし、 3曲もの初演に立ち会えた事もありますが、 アマチュアとしてはレベルの高い楽団に身を置くことができた事、 そしてプロの音楽家から直々の合奏指導を集中的に受けた事は、 実に得がたい経験でした。何だか有り難くて有り難くて仕方ないです。 参加して、本当に良かったです。
名古屋への往復も9回を重ねて慣れてきた頃でしたが、 これでまた名古屋に行く機会もしばらくなさそうで、 そのことも淋しさの一因でもあります。 練習の度に毎回だらだらと色々書いてきましたが、これも今回で終わりです。 お付き合い頂きまして、有難うございました。では失敬。

グスタフ・レオンハルト チェンバロ・リサイタル (2001/12/09 第一生命ホール)

東京での2公演の内、1回目の方に行ってきました。 題して「荘重にして、優雅なる肖像(ポルトレ)」。 レオンハルトはいつも公演日毎にプログラムが異なるので、 本当ならば両日共に行きたかったのですが、 仕事の状況などから今回は残念ながら見送りました。 (前回の来日時には通し券を買って、会社を連日休むことになり、 非常に心苦しかったのでした)
曲目は、F.クープラン、バルバトル、W.F.バッハなど、 バロック後期以後が中心に、 例によってあまり知られていない曲ばかり。 私には、初めて聴くような曲も半分くらいありました。 いつもながら、キリリと締まった毅然とした演奏ぶりで、 何だか氏の存在そのものが その時代の音楽世界を背負ってやって来たような印象がありました。 乗ってくると足を踏ん張る癖(?)も相変わらずで、 時々床がドンと鳴っていました。 席が最前列の左寄りで、鍵盤の手元がよく見えたのもラッキーでした。
ただ、会場がやや広めの空間だったせいか、 チェンバロの特に高音域の音色がやや固めに聞こえ、 響きが豊かでなかったのが、やや残念でした。 もう少し狭いホールで聴きたかった処です。 もっとも、最前列という席のせいもあるかも知れません。
会場は第一生命ホールという、室内楽用の美しいホールでした。 つい先日出来たばかりの所で、 この公演もオープニングシリーズの一環になっていました。 しかし、都心からはやや不便な場所にあって、それは埼玉県民の私にもまた然り。 あまりありがたい会場ではなかったです。
アンコールには、フォルクレ(非常に好きな作曲家)と、 J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲から、それぞれ1曲。 故意が偶然か、どちらも低音弦楽器の曲をチェンバロ用に編曲したもので、 チェンバロの低音弦の音を偏愛する私には、最高のアンコールでした。

女王エリザベスの恋 (2001/12/07 トッパンホール)

今回は、エリザベス一世(歴史に疎い私は知らなかったのですが、 生涯独身で英国の黄金時代を築いた女王)の物語に、 ダウランドの歌曲を当てはめて聴く、ちょっと変わった企画でした。 エリザベスの侍女(女優の伊藤ひろ子さん)が物語る思い出話の間に間に、 ダウランドの歌曲や独奏曲(つのだ&波多野)がしみじみと演奏されました。
この手の企画モノとして、 以前にも「オルフェオの響き」や「コロンブスの夢」などがあり、 それぞれちょっとした舞台演出があって楽しかったのですが、 それに比べて今回は舞台に装飾などが何もなく、 会場に入った当初には少し残念に思いました。 しかし始まってみると、 あっと言う間に伊藤さんの語り口に引き込まれ、気分は宮廷の中の世界。 演出のないシンプルな構成が、かえってよかったのかも知れません。 上質のラジオドラマや小説に似た充実感がありました。
聴き慣れたダウランドの歌曲も、女王の悲恋物語の場面に置くことによって、 歌詞の漠然とした嘆きや悲しみがにわかに具体性を帯びて、 一層胸に迫るものがありました。 勿論、つのだ&波多野の演奏も、いつもながら極上のものでした。
来年は、久し振りにこのデュオの新CDが出るそうです。スペインものだそうです。 つのださんはリュートとバロック・ギターを使い分けるものと思われます。 非常に楽しみです。

パオロ・パンドルフォ 無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ リサイタル (2001/11/09 武蔵野市民文化会館)

パオロ・パンドルフォの初来日公演に行ってきました。 東京1公演のみ、無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのリサイタルです。 内容的には、CD「A SOLO」に重なる、 ヴィオル音楽の古今東西の栄枯盛衰の歴史を辿ったものでした。
パンドルフォは、曲と曲の合間に作曲家や曲についてお話してくださり、 英語でしたがかなりゆっくりなので、私でも大半理解できました。 親しい友人にでも語りかけるような暖かみのある穏かな話し方で、 始まってあっと言う間に、 奏者と客席の間に親密な空間が出来上がった感じがしました。
曲目も、じっくり聴かせるものから超絶技巧ものまで多彩で、 ガンバの魅力を満載で、演奏もまったく文句なし。 休憩なしの公演だったのですが、 本当にあっと言う間に時間が過ぎて行ってしまいました。
あいにく外は土砂降りの雨で、お蔭でどうしても会場内の湿度が高く、 楽器のコンディションとしてはよくない状況と思われましたが (調弦し直す頻度が高かった気もします)、 それでも充分に奥行かしい音色に聞こえました。
CDで聴いて気に入っていた奏者でしたが、生で聴いて、 ますますファンになってしまいました。 また来日して欲しいと願っています。
終演後、CDへのサイン会があったのですが、 残念ながら会場で売っていたCDは全部持っているものだったため、 長く並んだ行列を横目にうらめしく思いつつ、会場を後にしました。

折々の会 第12回サロンコンサート (2001/03/24 東松山市北地区市民活動センター)

私の隣町[埼玉県滑川町]に横田ハープシコード工房というのがありまして、 そこの主催で、地元で定期的にサロン・コンサート[折々の会]が開かれています。 古楽が中心ですが、時には20世紀音楽や民族音楽など内容は多彩で、 格安料金でしかも至近距離で聴けるので、私はほぼ毎回通っています。
去る土曜日にも古楽アンサンブル「アンサンブル・レクィロ」 のコンサートがあったのですが、 主催の横田さんから、手伝いついでにゲネプロから聴きませんかとのお誘いがあり、 喜んで引き受けました。 会場の準備や片付け、楽器などの運搬、受付など、 裏方的な仕事が色々あって、肉体的には少々疲れましたが、 ゲネプロも全部聴けて、演奏者の方々とちょっとお話までできて、 滅多にない経験をさせてもらいました。ありがたいことでした。
運んでみて実感したのですが、チェンバロは(軽いとまでは言えないまでも) 重くはない楽器でした。当然ながら横田さんの製作によるもので、 装飾も美しい(側面は大理石を嵌め込んだような模様、フタの裏面は風景画)、 二段鍵盤の楽器なのですが、大きさはともかく、重量的には3人で難なく運べました。
あと、会場に観客がいないのといるのとでかなり音の響きが違うことを、 初めて実感しました。せいぜい100人程度の狭い空間 (普段はエアロビクスなどに使われている八角形のホール)なのですが、 ゲネプロの時には、特にチェンバロの音がうるさいくらいに鳴っていて、 横田さんがチェンバロの蓋を開けたり閉めたりして 響き具合の調整を試みたりしていました。 しかし本番になってみると、かなり残響が減って、別の楽器かと思える程でした。
他に、音律の問題について、横田さん(調律もする)と チェンバロ奏者の渡邊さんとのやりとりが印象的でした。 渡邊さんが「馴れているWerkmeisterと響きが違う」とおっしゃるのに対して、 横田さんは「音楽の捧げ物(今回のメインの曲目)に適したValottiで調律してある」 とおっしゃっていました。 帰ってから、家の電子鍵盤で、両調律で ハ短調の音階や「王の主題」を弾いてみましたが、 私の耳には違いがよく分かりませんでした。

バッハ・コレギウム・ジャパン 第46回定演 (2001/03/17 東京オペラシティ)

いつも通りよかったです。 私はもう長らく定期会員になっているので「いつも通り」となってしまうのですが、 この楽団は、多少の出来不出来はあるにせよ、 平均的にはかなり高水準の演奏を聴かせてくれる上に、挑戦的な試みも少なくないので、 いつも楽しみにしています。
昨年度の演奏会から、オープニングにオルガン(パイプオルガン)による 自由曲とコラール編曲が付くようになりました。 一度の演奏会で、器楽、声楽、更にはオルガンまで聴けてしまうので、 非常に得をした気分になります。 今回の演奏会では、最初にいつも通りオルガンの自由曲が演奏された後、 奏者(今井奈緒子さん)が退場してしまい(いつもなら続けてコラールを演奏していた)、 そのままオケや合唱の面々が入場してしまったので、どうしたのかと思いました。 すると、ステージ上に置いてある(通奏低音用の)小型オルガン2台で、 今井さんと鈴木雅明さんのデュオでコラール編曲が演奏されたのです。 それで、そのままそれに続けてカンタータの演奏に突入しました。 コラールとカンタータとの一貫した流れを狙ったものと思われます。 心憎い演出でした。
今回は声楽ソリストが私の思う常連ベストメンバーで、 特に非常に好きなテュルク(T)とブレイズ(CT)の二重唱の曲などもあって、 ほれぼれと聴きました。 それから、楽譜が失われてしまったオブリガート楽器のパートを、 鈴木雅明さんがバッハに代って作曲した部分もあり、興味深く聴きました。
最後はやや地味な印象の曲で終わったのですが、アンコールとして、 前半にあった華やかな曲(BWV181の終曲コラール)を再演してくれました。 拍手しながら、その曲をやって欲しいな、と思っていたところだったので、 非常に嬉しかったです。

ザ・ハープ・コンソート (2001/03/15 カザルス・ホール)

楽しい演奏会、というよりライヴでした。
メンバーは前回来日時と同じ6人で、それぞれが操っていた楽器については、 記憶にある限り、ウェブサイトに書いておきました。 古典ギターは(ローレンス=キングを除いて)全員が弾きます。 一斉に鳴らすギターのストロークは、歯切れがよくて気分のよいものです。
メンバーそれぞれが印象的で、長身のパーレのガンバはとても流暢で、 サナブラスのよく通るソプラノは情感に溢れ、 テオルボのイーレンフェルトはトロンボーンまで吹いてしまい、 打楽器のメツラーもびっくりするような妙技を披露してくれ、 などと切りがないのですが、何と言っても主役はダンスのプレイヤーです。 時々ステージ上で軽快なダンスを見せるのですが、 それが道化っぽい演技になったりして、抱腹絶倒ものなのです。 (前回来日時には客席の後の出入り口からバグパイプを抱えて出てきて 驚かされましたが、さすがに同じことはしなかったものの)、 途中から客席に踊り出て、適当に選んだお客さんの前で熱愛ポーズを取ったりして、 観客一同大受けでした。
ローレンス=キングが、曲の合間にプログラムの解説をしてくれるのも、 (ソロ・リサイタルの時に比べると話の量は少ないものの) いつも通りでした。 英語なのですが、もの凄くゆっくり区切って話してくださるので、 私でさえもほとんど理解できました。 曲は、当時のイングランドのジプシー音楽で、 スペインとアイルランドの音楽の影響を大きく受けているそうです。 熱っぽい曲と繊細な曲が程よく織り混ぜてありました。 即興風の変奏が続く曲が多いのもよかったです。
とにかく、観客をとことん楽しませようというサービス精神旺盛なステージに、 大満足でした。次回来日は2003年10月の予定だそうです。

彩の国グレート・バッハ・シリーズ/音楽の捧げ物 (2001/01/07 彩の国さいたま芸術劇場)

「音楽の捧げもの」他の演奏会に行ってきました。 彩の国さいたま芸術劇場と言う立派なホールがあるのですが、 そこがBCJと組んで不定期に行っているバッハのコンサートシリーズの一環で、 BCJにとっても、劇場にとっても、これが今世紀の初仕事だったようです。 私にとってもコンサート初め(?)でした。
どちらかと言えばマニア受けしそうなプログラムで、 にも関わらず客席は満員(それほど大きなホールではありませんが)、 しかも客層が高く、ベルが鳴ると間もなく場内は自発的にひっそり静まり返りました。 大抵のコンサートでは奏者が出てきても まだヒソヒソ喋っているようなオバサン連中(やや偏見を含む)がいるものですが、 今回は始まる前からいい緊張感が漂っていました。
曲目は、トリオソナタ(第1番)BWV525、 ゴルトベルク変奏曲の8つの低音に基づく14のカノンBWV1087、 カノン風変奏曲BWV769、音楽の捧げものBWV1079で、 編成はトラヴェルソ、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ、チェンバロ×2、 オルガン(持ち替えありなので、人数的には6人)、 BWV525と769は鈴木雅明さんによるアンサンブル用編曲です。
とりわけ印象的だったのは音楽の捧げもので、 随所に初めて聴くような工夫が施されていました。 例えば螺旋カノンで、実際に音が段々と上がってゆくことを示すために、 チェンバロの低音部からカノンを始めて、繰り返して音域が上がる毎に、 チェロ→ヴィオラ→ヴァイオリン→トラヴェルソの順に楽器が合流しつつ、 音域を外れた楽器から順次休止してゆくのです。これには興奮しました。 終曲になっていた無限カノンでは、最後の最後にトラヴェルソだけが残留して 王の主題の音列を吹いて、曲が終わりました。 王の主題(3声のリチェルカーレ)で始まったこの曲集が、 同じ王の主題で閉じられることを印象づけた訳です。 うまい演出だなあと、つくづく感心してしまいました。
ただ、演奏する方にとっては非常に大変だったと思われます。 気の毒なことに、トラヴェルソの前田さんは、 演奏中に何度か譜面を見失ってしまったようで、 その様子を見ていて緊張感がキリキリと伝わって来て、 この作品がいかに難曲であるかよく分かりました。
トリオソナタは、何種類かのトランスクリプションのCDで親しんでいる曲ですが、 今回はヴァイオリン、トラヴェルソ、通奏低音の編成でした。 他の曲も含めて、極めて濃密な内容の演奏会でした。BCJが、 この記念すべき機会にわざわざこんなプログラムを組んだ理由が分かる気がしました。
演奏が終わって、外に出ると、初雪。これまたいい雰囲気でしたが、 実際問題家に帰れなくなってしまう心配があったので、慌てて帰ってきました。

オペラ・バレエ《エベの祭典》(2000/12/02 北とぴあ)

バロック・オペラ・バレエを見て(聴いて)きました。 北とぴあ音楽祭の恒例行事(?)だったのですが、 この音楽祭は残念ながら去年を最後に休止になってしまい (財政上の理由らしいです)、 しかし今年はそのホールの開館10周年と言うことで、 特別にオペラ・バレエの公演だけが開催されました。
例年、寺神戸亮さんが音楽監督を務めています。 一応、簡易ながら舞台演出もあり、 優雅な衣装によるバロック・ダンスも演じられます。 オケ(当然古楽器オケ)もきちんとオーケストラ・ピットの中に入るので、 雰囲気は抜群です。
今年も、演奏も舞踊もなかなかよかったです。 ただ、舞台演出に関しては、やはり低予算と言う感じは拭えませんでした。 いつもそれほど豪華と言う訳では決してないのですが、 今年は予算がないためか大道具をまったく使わず、 照明だけで雰囲気を表現していました。 その努力は確かに感じられ、 暗幕にライトを当てて神殿の柱のように見せていた所など感心してしまったのですが、 やはり全体としては何となく閑散としていました。 一方で衣装はいつものようになかなか優雅で綺麗で、 それがかえって舞台装置の殺風景さを感じさせていたようにも思います。
しかし、バロック舞踊はつくづく美しく見とれるばかりで、 古楽器オケ(ベテラン揃い)の響きにもうっとり、 結局は非常に感動してしまいました。 難点を言えば、ファゴットに安定感がなかったことと、 テオルボが入っていなかったことでしょうか。
このようなフランスバロックの劇音楽を聴ける機会は、 北とぴあ以外にはまず滅多にないので、 音楽祭の休止は残念で残念で仕方ないです。 ただ、やはりお金のかかることですし、 必ずしも市民一般の人々に受け入れられる内容ではないのは確かなので (クラシック愛好者でさえ、 古楽器による演奏を受け入れられない人は少なくないのです)、 確かに音楽祭としての続行は難しいのかも知れません。 企業からの援助の増加も期待できる訳がありませんし。 ファンとしては、このオペラ・バレエの企画だけでも、細々でもよいので、 続行して欲しいと願っています。

コンコルディア 第28回定期演奏会 (2000/06/24 かつしかシンフォニーヒルズ)

会場のかつしかシンフォニーヒルズ、私は前に来たことがある筈なのですが、 道順も含めて全然記憶になくて、迷ってしまいました。 着いてみると、なかなか豪華なホールでした。 生憎の雨のせいか、お客さんはやや少な目で、ちょっと気の毒。
1st stage はイタオリ[イタリアン・オリジナル]2曲。 演奏はよかったですが、曲はそれなり。
2nd stage は、邦人モノの小品3曲。Pellucid Illusion [小林由直] は懐かしかったです。 しかも、カンパネラ(チャイム)の調子が外れていることまで、 '88春演[名古屋大学ギターマンドリンクラブ '88春の演奏会]を彷彿とさせました (何でいつもこうなるのやら?)。 しかし、対位法的な部分(中間部、ラ#ソミソ#ファドbミ…)のテンポがかなり速く、 新鮮味もありました。 他の曲のうち、1曲は以前チルコロ[名古屋マンドリン合奏団の通称] を振っていた人の自作自演でしたが、平易な出来でした。もう1曲もまた然り。
3rd stage は待望の三の3[帰山栄治/マンドリン合奏のための三楽章第3番]。 しかし、1楽章の冒頭のスネアドラムから既に失敗していて (もっとも、それにリアルタイムで気付いた人は、 ステージ上を含めても会場に数人しかいなかったことでしょうけど)、 その後の低音〜高音の入りもバラバラになり、最初から崩壊してました。 指揮者の横澤さんは、 できることなら中断して最初からやり直したかったことでしょう。 その後も、管・打楽器のミスが散見され、 あちこちで空中分解しかかっていました。 テンポは全体にやや遅めと思いましたが、客観的に見れば、 基準としている我々の演奏[名古屋大学ギターマンドリンクラブ32回定演での演奏] が速すぎるだけかも。
2楽章は、管のミスは多かったものの、比較的落ち着いて聴いていられました。 あの、空虚さ漂う旋律線の美しさを、しみじみと味わいました。 楽器を調達できなかったのか、 グロッケンシュピールの代わりにカンパネラを使っていたのが、 ちょっと変わっていました。
3楽章は、1楽章から見ればうまく行っていたと思います。 管・打楽器はやはりあちこちでコケていましたが、 曲の勢いで何とか誤魔化していました。 ティンパニのソロではあまりに平然と叩いていて、 改めて我らが鈴木真喜生さん[名大に客演した打楽器奏者]の ド派手なバチさばきの偉大さを感じました。 ピッコロはやはりよく鳴っていました。
何れにせよ、最後にリズム主題と旋律主題が重なる頃には、 私はやはり言いようもない感動に襲われ、ちょっと目が潤んでしまいました。 この曲は傑作です。
終ってみて、この曲が演奏至難であることを改めて痛感した次第です。

バッハ・コレギウム・ジャパン 第42回定演 (2000/06/08 東京オペラシティ)

BCJ のブランデンブルク、非常によかったです。
とりわけ注目だったのは第2番のトランペットで、 BCJ の島田さんが当時の楽器を復元して使っていました。 今回初めて知ったのですが、古楽器オケのブランデンブルクでも、 このトランペットだけは折衷楽器を使っているのが通例だそうで、 完全な復元楽器を使ったのは BCJ が初めてらしいです。 バッハ関連本などでお馴染みライヒェの肖像画で描かれている、 渦巻き状の楽器で、押さえる穴などがなく、 完全に口だけでコントロールするものです。
結果的には、音程はかなり不安で、 正直言って落ち着いて鑑賞できる状態ではありませんでしたが、 その挑戦的な姿勢には心から拍手を送りたいと思いました。
他の曲も、どちらかと言うと速めのテンポで非常に歯切れよく、 文句なしによかったです。何れも最小編成(各パート1人)で、 やはり当時の絵画と同じくチェンバロを囲んで(低音楽器以外は) 立って弾くスタイルでした。 ただ惜しかったのは、この極小編成の古楽器アンサンブルに、 東京オペラシティの大ホールはやや大き過ぎました。 とりわけチェンバロの音が (蓋を外してあるためが天井から反射されて戻って来るまで) やや遅れて耳に届く感じでした。

フリップ・ヘレヴェッヘ/コレギウム・ヴォカーレ (2000/05/27 すみだトリフォニーホール)

ヘレヴェッヘのヨハネ[J.S.バッハ: ヨハネ受難曲 BWV245] を聴いてきました。凄かったです。 BCJ を聴き馴れているのでとかく比べてしまうのですが、 とにかく合唱が見事でした。 BCJ もさすがにこれには及びません。
ソロ歌手も粒揃いで、とりわけ福音史家のパドモアも素晴らしいものでした。 私は BCJ のテュルクが最高に好きなのですが、 テュルクよりも朗々と歌っていて、これはこれでよいものでした。 カウンターテナーでなくアルトを使っていたのもよかったです。 カウンターテナーを使うこと自体は私はよいと思っていますが、 今回のアルトの声には、何か安心感がありました。
器楽に関しては、低音部を強調しているのが特徴的でした。 レチタティーヴォなどで、BCJ だとチェロが伴奏している所で、 コントラバスが弾いている場合が多かったです。
あと、冒頭合唱でのオーボエの不協和音を強調していたのも耳につきました。 緊迫感が強まっていました。
すみだトリフォニーホールには初めて行きましたが、駅からも近く、 なかなかよい場所ですね。ホール自体も、オルガン付きで、見た目もよい感じでした。 音響のことは、私は前から3列目だったのでよく分かりませんが、 今回のアンサンブルにはこのホールは広過ぎるようにも思いました。

名古屋大学ギターマンドリンクラブOB演奏会 (2000/03/19 名古屋市芸術創造センター)

入口に行列ができていたらどうしよう、などと冗談を言いつつ、 会場に着いてみたら、本当に館外に行列が出来ていたので、びっくり。 しかも、開場した後になっても行列は長くなる一方。かつてないことでしょう。
1ステ。苫谷[指揮者]は、さすがに白服ではありませんでしたが、 指揮ぶりは相変わらず大袈裟(これは褒め言葉)でした。 交響的前奏曲[ウーゴ・ボッタキアリ]も含めて、 このステージが最もよく弾けていたと思います。
2ステ。序曲[OBの作曲家、帰山栄治氏の作品]は悪くもありませんでしたが、 指揮の国作さん[OBの作曲家、酒井国作氏]が最後まであまりに冷静で、 熱狂的序曲を期待していた私には物足りない気分でした。 協奏詩曲[帰山栄治]は、ソロの音があまり聞こえず、 それ以前に喜三さん[OBのマンドリン奏者、榊原喜三氏] のヤル気が全然感じられず、全くよろしくなかったです。 しっかりしろ! まあ、帰山さんの指揮姿を拝めたので、よしとしよう。
3ステ。酒井さん[OBのギター奏者、酒井康雄氏]のギターソロは、 全ステージ中で最もハイレベル、 かつ安心して聴いていられるものでした。さすがプロです。 超絶技巧モノも凄かったです。 でも、パンフレットの写真が若過ぎなのは確かです。
4ステ。新曲 [委嘱初演の帰山栄治・IZANAI、および酒井国作・KAI] については、一度聴いただけなので何とも言えませんが、 あまり傑作とも思えませんでした。 国作さんのは何となくパターンが見えていたし、 帰山さんのは勢いに欠けていて、更に練習も万全ではなかったようです。 最後、カーテンコールの手際の悪さは、微笑ましかったです。
あと、パンフレットにクラブの歴史みたいな記事があって、 全然知らなかったような昔の話も載っていて、面白いものでした。
以上、不満も書きましたが、 全体的には予想よりもはるかにしっかりした演奏でした。 さすがに物好きな人が集まっただけのことはあります。 中低音もよく鳴っていました。 出ている人たちが実にうらやましかったです。

back home mail

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送