コンサート寸評 2010年

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2010
タイトル 日付 会場 データ、感想
池田卓ライヴ 2010/04/08 群馬県大泉町・常光寺 [出演]池田卓(歌と三線)、ドン・久保田(ベース)、金川哲也(ギター)
♪ 毎年この日(釈迦の誕生日)に「常光寺の花祭り」として境内で行われているミニライヴ。 カリンバ演奏(Sage)とベリーダンス(睡蓮 with Friendsの計4人)、南無(ギターと歌のまー&ドラムの伊万里の2人組)に続いて、池田卓が登場。 ベースの久保田がここ大泉町の出身である縁で、このイベントに参加し始めて、今回が8回目とのこと。演目は、八重山民謡「月ぬ美しゃ」以外はすべてオリジナル曲で、初めて聴く新作もあり、真摯な気持ちが込められた歌にしみじみと聴き入った。また、大往生なさった御祖母さまのことや、郷里の西表島・船浮に戻ることにしたことなど、合い間のトークにもこの人の飾らない人柄が滲み出ていた。 去年も結構寒かった記憶があるが、今年のこの日の冷え様は半端でなく、それなりに厚着をして臨んだにも関わらず、膝や顎がガタガタ震えてしまう程。しかし、それでも至近距離で池田卓の歌を聴ける嬉しさには代えられない。このような機会を作ってくださる住職や関係者の方に、心から感謝。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第88回定期演奏会 2010/04/02 東京オペラシティ 受難節コンサート2010 [音楽監督]鈴木雅明 [独唱]クリストフ・ゲンツ(テノール=エヴァンゲリスト)、ドミニク・ヴェルナー(バス=イエス)、レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)、マリアネン・ベアーテ・キーラント(アルト)[曲]J.S.バッハ: マタイ受難曲BWV244
♪ BCJ恒例の聖金曜日の受難曲公演。 演奏はいつもながら緊迫感に満ちたもので、3時間半の長丁場でも、一瞬たりとも退屈する暇はない。アリアや器楽オブリガートの聞かせ所も、万全の演奏で堪能できた。 エヴァンゲリストのゲンツは多分初登場で、高音域までよく通る明瞭な歌声で、序盤は少し軽い感じに思えたが、物語が佳境に入るに従って切迫感が出て来て良かった。イエスは常連のヴェルナーで、深みのある歌声が好適。アルトは(久し振りにカウンターテナーでなく女声で)初登場のキーラント。落ち着きのある太めの声で、鈴木雅明の言う男声と女声のつなぎに相応しい印象。ソプラノは常連のニコルズで、それ以外の独唱はBCJ合唱団のメンバーが担っていた。 驚いたことには、最後の曲(Ruhe sanfte, sanfte ruh!)に続けて、合唱のみ(器楽なし)によるモテット(ヤコブス・ガルス作)が演奏された。プログラム冊子によれば、当時のライプツィヒでの演奏の慣習に従った、とのこと。こう言う新しい体験をさせてくれるBCJには、心底感謝。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第87回定期演奏会 2010/02/25 東京オペラシティ J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズVol.56 ライプツィヒ1726年のカンタータ5 [音楽監督]鈴木雅明 [独唱]ハナ・ブラシコヴァ(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、水越啓(テノール)、ペーター・コーイ(バス) [曲]J.S.バッハ: カンタータNr.47, 27, 36
♪ オープニングのオルガン独奏(前奏曲とフーガc BWV546)は、 (いつもの今井奈緒子でなく)鈴木優人。オルガンを豪快に鳴らしていた。 メインプログラムの3曲には、ヴァイオリンとオーボエのソロ場面が多くあり、 歌と楽器が絡み合う場面には非常に美しいものがあった。 また、BWV27冒頭の合唱とソロが掛け合いながら沈み込む感じは、たまらなく好き。 テノール独唱は水越啓で、カンタータ定期での独唱は初めての担当か。 声量は大きくないものの、丁寧かつ端正な歌い方には好感を持った。 他の独唱陣は常連組で、さすがに安定していた。 プログラム冊子には、BWV36の複雑な成立経緯について、計18ページにおよぶ解説論文を掲載。こう言うところもBCJの大きな魅力。
ベルリン古楽アカデミー 2010/02/12 トッパンホール [曲]J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)BWV1046-1051
♪ 指揮者なしの古楽合奏団。CDは何枚も持っているが、生で聴くのは初めて。 全体的に、強弱の変化が(よい意味で)誇張され、 時々やや合奏の精度が粗くなる場面もあったものの、生気と愉悦感に富んだ演奏ぶり。 第1番、ホルン2本が豪快に鳴らしていて、荒々しい感じ。 第2番、トランペット(細長い形)独奏は見事で、特に第3楽章はパーフェクトで爽快感さえあった。 第3番、この楽団らしい強弱緩急の極端な変化が、最も発揮されていた気がする。第2楽章が弦楽による2和音のみなのは物足りない。 第4番、ヴァイオリン独奏は、軽やかさでありながら、力強さもあった。 第5番、チェンバロ独奏には猛烈な勢いがあり、楽器もよく鳴っていた。 第6番、ヴィオラの二人がノリノリで楽しそうに弾いていた。 最後の拍手に応えて、演奏者全員が揃って登場。 総勢19人、これだけの人数で、これだけ多彩な響きが生み出されていたのであった。

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(紺野裕幸)

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