映画寸評 2000年

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2000年 私的ベスト3: 初恋のきた道美術館の隣の動物園ナビィの恋、 (次点)ひまわり


◎=絶賛 ○=よい
2000
タイトル データ 鑑賞日 感想
初恋のきた道 (我的父親母親) 2000中国・アメリカ (監)チャン・イーモウ (出)チャン・ツィイー、スン・ホンレイ、チャオ・ユエリン、チェン・ハオ 2000/12/20 ◎ 中国の田舎の寒村。 村に初めてやってきた若き学校の先生に、恋をした文盲の村娘。 何とかして想いを届けたい、その一途さ、初々しさ、切なさに、 私の涙腺は始終緩み放し。 主演のチャン・ツィイーの表情は、本当に「一枚の絵」のよう。 恋物語を縁取る息子のエピソードにもまた涙、涙。 ホームページ
ひとめ惚れ (一見鍾情) 2000香港 (監)アンドリュー・ラウ (出)マギー・チャン、レオン・ライ、 エリック・コット、スーキ・クワン、ヴァレリー・チョウ 2000/12/02 シングルマザーのタクシー運転手と、時代を先駆けるプログラマーとの、 恋の紆余曲折。 忘れ難い傑作『ラヴソング』の2人が主演ということで期待していたが、 物語がやや通俗的なのが惜しい。 レオン・ライ演じる主人公は私と同じ歳で、しかも同じ職業でもあった。
十五才 学校IV 2000日本 (監)山田洋次 (出)金井勇太、秋野暢子、小林稔侍、赤井英和、麻実れい、高田聖子、丹波哲郎 2000/11/25 ○ 縄文杉の屋久島を目指して、家出してヒッチハイクの旅に出た、不登校の少年。 旅の中で出会った様々な人々との関わり合いの中で、 「一人前になる」ということが何かを捉えてゆく。 これが「学校」シリーズの一つであることは意味深い。 最近地元(熊谷)に出来たシネマコンプレックスにて鑑賞。 ホームページ
美術館の隣の動物園 1998韓国 (監)イ・ジョンヒャン (出)シム・ウナ、イ・ソンジェ、アン・ソンギ、ソン・ソンミ 2000/11/12 ◎ まるでタイプの違う男女が、なりゆきで映画の脚本を合作することに。 シナリオの世界には、それぞれ互いの想う相手の姿が重ねられてゆくが…。 台詞や細かい筋が実によくできていて、 微笑ましかったり、思わせ振りで裏切られたり、思わずキュンと来たり、 軽快で爽快なラヴストーリー。 ホームページ
ペパーミント・キャンディー 1999韓国 (監)イ・チャンドン (出)ソル・ギョング、ムン・ソリ、キム・ヨジン 2000/10/28 ○ 全てを失い自暴自棄に陥った男の人生を遡ってゆく。 失ってしまった恋人、家庭、そして自分自身、 もう取り返しのつかない過去の日々。 あの日々に帰りたい気持は切実に伝わるが、もはや救いがないのは辛い。 ホームページ
金髪の草原 1999日本 (監)犬童一心 (出)池脇千鶴、伊勢谷友介、唯野未歩子、松尾政寿 2000/10/12 ○ 記憶が怪しくなり、自分が20歳だと思ってしまっている80歳の老人。 そこにホームヘルパーとしてやってきた少女は、憧れのマドンナその人だった。 夢と現実との境界線を超えてゆらゆらと浮遊するような恋。 最後は悲しいがこれでよいのかも。
1999日本 (監)阪本順治 (出)藤山直美、豊川悦司、國村隼、大楠道代、牧瀬里穂、岸部一徳、佐藤浩市 2000/09/02 ○ ただ一人の肉親である妹を殺してしまい、逃亡生活に入ることになった正子。 あてもなく逃げ続ける生活の中で、引き籠りがちだった正子は、 いつしか強く明るくたくましくなってゆく。 藤山さんがピタリとはまった、痛快な「逃亡」讃歌。
ひまわり 2000日本 (監)行定勲 (出)麻生久美子、河村彩、袴田吉彦 2000/08/15 ◎ 海で行方不明になった友人・朋美、その葬儀のために久しぶりに集う仲間たち。 それぞれの記憶を手繰る中から、彼女の秘めた想いが明らかになってゆく。 じわじわと心に沁みてくるような、甘酸っぱく懐かしく切ない物語。 とりわけ主演の麻生さんの醸し出す空虚感がたまらない。 主人公が私と同姓の紺野くんなのもよい。 心地よい余韻が持続する傑作。 ホームページ
あの子を探して (一個都不能少) 1999中国 (監)チャン・イーモウ (出)ウェイ・ミンジ、チャン・ホエクー、チャン・ジェンダ、カオ・エンマン 2000/07/09 ○ 僻地の小学校に、代用教員として駆り出された13歳の少女。 出稼ぎに出された一人の生徒を連れ戻すべく、初めて都会へと出てゆく。 悲しいほどの村の貧しさの中で、 ようやく最後に見せる少女の笑顔と、 子供たちのたどたどしい筆跡に、ホッと救われる。 ホームページ
シュリ 1999韓国 (監)カン・ジェギュ (出)ハン・ソッキュ、キム・ユンジン、チェ・ミンシク、ソン・ガンホ 2000/07/05 ○ 潜入した北朝鮮の特殊部隊を追う韓国の情報部員。 答えの見えない南北分断がもたらす悲劇を描く。 緊迫のアクションと、悲しいラヴストーリーとの見事な融合。 まさに、手に汗、目に涙。 ホームページ
ナビィの恋 1999日本 (監)中江裕司 (出)西田尚美、村上淳、平良とみ、登川誠仁 2000/06/24 ◎ 沖縄の小さな離島に静かに過ごす老婆にも、 60年以上も想いを秘めた大恋愛があった。 全てを包みこんでしまうような「島」の空気と音楽と踊り。 自然体の西田さんを始め登場する一人一人が魅力的だが、 何よりも幸福も不幸も超越した登川さんはもう最高。 ホームページ
喜劇王 (喜劇之王) 1999香港 (監)リー・リクチー、チャウ・シンチー (出)チャウ・シンチー、カレン・モク、セシリア・チャン、ン・マンタ 2000/06/08 ○ 志だけは高く、しかし熱意は全て裏目に出ている役者ワン。 せっかく掴んだ大女優との共演も没になったものの、 やがて一世一代の命懸けの演技に臨む羽目になる。 あからさまなバカバカしさも、香港映画なので許せてしまう。
ボクの、おじさん THE CROSSING 2000日本 (監)東陽一 (出)筒井道隆、細山田隆人、つみきみほ 2000/05/27 ◎ 単純に割り切れない日々の暮らしと、 時に煩わしくさえある人間関係。 壊したいようで壊せない自分と言う仮面。 そんな中、自分と周囲との関わり合いについて見つめ直し、 新たな一歩を踏み出す主人公たち。 筒井さんが実にいい味で、共感度大。 ホームページ
ボンベイtoナゴヤ 1997インド (監)チャンチャル・クマール (出)アニル・バクシー、プリヤンカ、プレーム・チョープラー、原智彦 2000/05/13 ○ 逃亡したギャングを追って、インドからナゴヤへとやって来た熱血警官。 電車の中から車道のド真中までとんでもない所で踊りまくったり、 東京に行った筈なのに名古屋だったり、もう無茶苦茶。 衝撃的なまでのこのチープさ加減。 しかも大真面目なのがたまらない。 ホームページ
玻璃(ガラス)の城 (玻璃之城) 1998香港 (監)メイベル・チャン (出)レオン・ライ、スー・チー、ニコラ・チェン、ダニエル・ン 2000/04/18 ○ 香港の中国返還にからめて描かれる、二つの世代の恋愛模様。 事故死した男女二人の過去を辿るそれぞれの息子と娘は、 二人が学生時代に深く愛しあっていたことを知る。 抑えられない想いと、帰らない時代の重み。 繰り返す回想シーンが、グッと来る。
はつ恋 1999日本 (監)篠原哲雄 (出)田中麗奈、原田美枝子、平田満、真田広之 2000/04/18 ○ 投函されなかった、母が初恋の人に宛てた古い恋文。 娘はその相手の男を探し出し、母との再会を画策する。 ああ、これでよかったんだ、と思わせる、大人の恋の物語。 全体を彩る桜の花とメロディーが美しい。 ホームページ
追憶の上海 (紅色恋人) 1998中国 (監)イエ・イン (出)レスリー・チャン、メイ・ティン、タオ・ツァオルー 2000/02/22 ○ 1930年代の上海。激動の時代、革命に全てを捧げる男と、その男に全てを捧げる女。 彼らを見つめる外国人医師の目を通じて描く、激しく哀しい愛の物語。 「命懸け」と言うのは、かくも壮絶なものであったのか。 ホームページ

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(紺野裕幸)

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