コンサート寸評 1998年

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1998
タイトル 日付 会場 データ、感想
バッハ・コレギウム・ジャパン/メサイア 1998/12/22 東京オペラシティ コンサートホール [音楽監督]鈴木雅明 [曲]G.F.ヘンデル: オラトリオ「メサイア」HWV56
♪年の締めくくりにふさわしい快演。 カウンターテナーのレーヌはややミスマッチだった気がするものの、 合唱もオケも堂々たる出来。 3時間を超える公演だったが、実にすっきりした気分。 ハレルヤ!
歌物語「コロンブスの夢」 1998/12/15 埼玉会館 小ホール [作]池内紀 [出演]タブラトゥーラ, 中嶋しゅう, 鳴海由子, 波多野睦美, 他
♪舞台仕立てで聴く、黄金時代のスペイン音楽など。 華麗な衣装、美しく時にアヤシイ音楽とダンス、照明を含め雰囲気よい舞台演出。 何故コロンブスなのかはともかく、 クラシックや古楽などと言う枠を超越した楽しいステージ。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第36回定演 1998/11/29 東京オペラシティ コンサートホール 「ドイツ・バロックのマニフィカト」 [音楽監督]鈴木雅明/ [曲]J.クーナウ/J.D.ゼレンカ/J.S.バッハのマニフィカト
♪アンサンブルの精度がBCJにしては今ひとつだったが、 ソリストのお陰もあってまずまずの演奏。 バッハ以外は初めて聴く曲だったが、それぞれよかった。
第4回 北とぴあ国際音楽祭 「ヘレヴェッヘの第九」 1998/11/27 北とぴあ さくらホール [指揮]フィリップ・ヘレヴェッヘ [管弦楽]シャンゼリゼ管弦楽団 [合唱]シャペル・ロワイヤル, コレギウム・ヴォカーレ [曲]L.v.ベートーヴェン:交響曲第9番, 他
♪感無量。もう最高の演奏としか言いようがない。 ヘレヴェッヘの非凡さをひしひしと感じる。
第4回北とぴあ国際音楽祭 「シュッツとバッハの祈り」 1998/11/22 北とぴあ さくらホール [指揮]フィリップ・ヘレヴェッヘ [合唱]コレギウム・ヴォカーレ [曲]H.シュッツ: 宗教的合唱曲集より, J.S.バッハ: 新しき歌を主に向かって歌え, 他
♪驚異的に整った声楽アンサンブル。 特にソプラノパートは完璧に一つの声のように揃っていた。 これほどまでにハイレヴェルな合唱を聴いたのは初めてのこと。 ここまで鍛え上げたヘレヴェッヘの統率力の凄さを感じる。
イル・ジャルディーノ・アルモニコ 1998/11/16 王子ホール E.オノフリ(vn), G.アントニーニ(指揮) [曲]J.S.バッハ: ブランデンブルク協奏曲第5番, A.ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集「四季」, 他
♪極端な強弱緩急の変化がもたらす、溢れんばかりの愉悦感。 メンバーが自在に楽しんでいるようでいながら、 完璧なまでに統制がとれたアンサンブル。 リュートの人が加わっていなかったのはちょっと残念だったが、 思わず身を乗り出すほど、心からワクワクした2時間強。
第4回北とぴあ国際音楽祭「フランス・バロック・バレエの祭典」 1998/11/14 北とぴあ さくらホール 寺神戸亮(指揮), ナタリー・ヴァン・パリス(振付), レ・フレグマン・レユニ(バロック・ダンス), レ・ボレアード(演奏) [曲]ルベル:「四大元素」, 他
♪北とぴあ恒例のバロック・ダンス、今年はひたすらダンス三昧。 見とれてしまうほど、優雅で華麗な舞踊、衣装、そして音楽。 こんなステージを見られるのは、北とぴあならでは。本当にありがたい。
折々の会 第3回サロンコンサート
「トスカーナの夕映え〜18世紀イタリア・バロック音楽最後の響き」
1998/11/08 東松山北地区市民活動センター [演奏]ラ・スカトラ・デリ・アーギ [曲]ジェミニアーニ, バルサンティ, 他の作品
♪変化に富んだ自発的な通奏低音3人と軽妙なリコーダー。 聴いたことのない珍しい曲ばかりのプログラムだったが、 生き生きとした通奏低音に心踊る気分。 地元・休日・格安料金と、いいことずくめ。 横田ハープシコード工房主催。
音楽の花束 第3回「薔薇の花よりも甘く」 1998/10/28 近江楽堂 (東京オペラシティ内) 波多野睦美(S), 芝崎久美子(cemb) [曲]H.パーセル作品集
♪最も好きなチェンバロ奏者と、最も好きな歌手との組合せによる、幸せな一夜。 表情豊かに喜び悲しみを描く声と、 繊細に紡ぐようなチェンバロとが相俟って、心の底から湧き起こる感動。 30分前から並んで特等席を確保したお陰で、 かつてない程の至近距離で聴けたのも嬉しかった。
ラ・プティット・バンド 1998/10/01 紀尾井ホール J.S.バッハ: ブランデンブルク協奏曲Nr.3〜6
♪有名曲にも関わらず、生で聴くのは初めて。 クイケン3兄弟が揃って参加。 特に鋭さは感じられないものの、正統派と言った風格の演奏。 チェンバロのアンタイはノッていた。
ブエノスアイレスの夏 1998/09/21 東京厚生年金会館 小松亮太(bandoneon), フェルナンド・スアレス・パス(vn), パブロ・シーグレル(p), エクトル・コンソーレ(b), オラシオ・マルビチーノ(g)
♪大人気の小松と、ピアソラ五重奏団のメンバーによる、 気迫のピアソラ・プログラム。 タンゴのコンサートには初挑戦の私であったが、 疾走するアンサンブルの迫力にはひたすら圧倒されっ放し。
音楽の花束 第2回「チェンバロ音楽の花束」 1998/09/20 近江楽堂 (東京オペラシティ内) 芝崎久美子(cemb) [曲]D.スカルラッティ, W.F.バッハ, A.フォルクレの作品
♪親密な空間で、芝崎さんのお話を交えてのコンサート、第2回目。 大好きなフォルクレを、憧れの芝崎さんの演奏で聴ける至福。 フリーデマン・バッハの哀惜の曲調にも泣けそう。 イタリアンとフレンチ、2台のチェンバロを弾き分け。
折々の会 第2回サロンコンサート
大導寺錬太郎ピアノリサイタル
1998/09/13 東松山中央公民館 「ピアノ演奏家のピアノおさらい会」
♪バイエル・ツェルニー更にはハノンなど、 普段はまずステージに登らないような練習曲から、 ショパン・リストなど超絶技巧モノまでを並べた好企画。 奏者のお話を交えて、実に楽しいひと時。 横田ハープシコード工房主催。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第35回定演 1998/09/12 東京オペラシティ コンサートホール [音楽監督]鈴木雅明 [曲]J.S.バッハ: 教会カンタータ〜ライプツィヒ1723年-III BWV95,46,138,136, オーボエとヴァイオリンのための協奏曲BWV1060
♪この日は私の誕生日。 バッハとBCJから頂戴した、極上の「音楽の捧げもの」。
音楽の花束 第1回「アリアンナの嘆き」 1998/07/15 近江楽堂 (東京オペラシティ内) 木島千夏(S)、芝崎久美子(cemb) [曲]モンテヴェルディ、フレスコバルディを中心とした、17世紀イタリアの名曲集
♪芝崎さんのお話を交えて、小さな空間での、心暖まる雰囲気のコンサート。 芝崎さんの好みか、短調の曲が多いのも、私には嬉しい。 最後の「アリアンナの嘆き」での、木島さんの渾身の歌は、まさに圧巻。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第34回定演 1998/07/02 東京オペラシティ コンサートホール [音楽監督]鈴木雅明 [曲]J.S.バッハ: 教会カンタータ〜ライプツィヒ1723年-II BWV24,167,76, 2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043
♪初登場のカウンターテナー、ロビン・ブレイズ氏は期待以上。 島田・寺神戸・若松・平尾各氏を筆頭に、器楽陣の活躍も印象的。 ただ、オペラシティはこのアンサンブルには広すぎる感が拭えない。
まさしんぐ WORLD コンサート 1998/06/24 新宿文化センター 「続・銀河食堂の夜」
♪ さだまさしファンクラブ会員のためのコンサート、 今回は1995年の続編の一人芝居。3時間以上も一人で演じてしまう才能。 初日ゆえの混乱もまた一興。
エドゥアルド・パニアグア古楽集団 1998/06/19 武蔵野市民文化会館 [曲]5つの王国に分かれた中世スペインの舞曲&歌曲
♪4人の奏者が、見たこともないようなさまざまな楽器を持ち替えつつ、 奏でそして歌う。 ほとんど民族音楽のような、心踊る中世スペインの音楽絵巻。 武蔵野の格安料金設定も、いつもながらありがたい。
アルゲリッチ&ラビノヴィチ 協奏曲の夕べ 1998/05/28 東京芸術劇場 大ホール A.ラビノヴィチ(指揮、ピアノ), M.アルゲリッチ(ピアノ), ストリング・オーケストラ響(管弦楽) [曲] ラビノヴィチ: アンカンタシオン(呪文), ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番op.19, 他
♪大物ピアニストに、若手を集めた小編成のオケ。 ラビノヴィチ作品は、打楽器を多用して賑やかなものの、意外にも普通の音楽。 ベートーヴェンで見せたアルゲリッチの腕の冴えはさすが。 客層はいささか低かった。
国立アルゼンチン交響楽団 1998/05/25 オーチャードホール P.I.カルデロン(指揮), E.イサーク(ギター), D.ビネーリ(バンドネオン), M.アルゲリッチ(ピアノ) [曲] A.ピアソラ: バンドネオンとギターのための協奏曲「リエージュ」, M.ラヴェル: ピアノ協奏曲g, ボレロ, 他
♪ひたすら豪快な響きのオケ。 しかも20世紀音楽ばかりの嬉しいプログラム。 特にピアソラには、血が騒ぐかのようだった。 アルゲリッチも好調。 日本アルゼンチン修好100周年記念で、両国国歌の演奏もあり。 やや縦の線が揃わないのは、このホールの音響の問題かも知れない。
熊谷ゾリステン 室内楽の夕べ 1998/05/23 熊谷文化創造館さくらめいと ヴィヴァルディ: 調和の幻想op.3-7, シュトラウス:美しき青きドナウop.314, 他
♪ヴァイオリン奏者が安定感に乏しく、 ヴィヴァルディの様式感の無さには少々耐え難いものがあったが、 無料なのでまあいいか。
古歌 1998/05/16 近江楽堂 (東京オペラシティ内) 波多野睦美(voice), つのだたかし(lute) [曲]マショー: 私は楽しく生きていけるでしょう, モンテヴェルディ: アリアンナの嘆き, 他
♪同タイトルの演奏会はこれで3度目。しかし毎回プログラムは異なり、 今回もいつもながら素晴らしいものだった。 近江楽堂には今回初めて行ったが、繊細な音に包まれるような、実にいい空間。 アンコールの武満にも目が潤んだ。
名古屋大学ギターマンドリンクラブ '98 春の演奏会 1998/05/09 愛知県勤労会館 [曲]小井洋明: マンドリンオーケストラの為の交響的二章, 他
♪いささか練習不足の感もあったが、 可愛い後輩たちの演奏なのでよしとしよう。
折々の会 第1回サロンコンサート
輝く声と即興するチェンバロ
1998/05/02 東松山北地区市民活動センター 奥田明子(S), 岩田耕作(cemb) [曲]セルミジー: 美しい森で, ヘンデル:カンタータ「ルクレツィア」, 他
♪横田ハープシコード工房主催のコンサート企画「折々の会」の第1回。 ストラスブール留学中の若き音楽家による、意欲的かつ新鮮な演奏。 即興を自在に交えたチェンバロと、表情豊かなソプラノの熱演。
バッハ・コレギウム・ジャパン/ヨハネ受難曲 1998/04/10 東京オペラシティ コンサートホール [音楽監督]鈴木雅明 [曲]J.S.バッハ: ヨハネ受難曲BWV245(第4版)
♪本当に感動的な一夜となった、私にとって4度目のBCJの受難節コンサート。 第4版による演奏は通常聴き馴れたものとやや違っていたが、 すばらしかった2年前のヨハネの演奏をもはるかに上回る出来。 特に、福音史家を歌うテュルクの明快な語り口は最高。 ただ、客層の低下もまた事実。
こうなんギターコンサート 1998/03/22 江南町総合文化会館 [出演]江南ギタークラブ, 深谷ギターアンサンブル, K.コンセルト・ギターラ [ゲスト]アフロディーテ
♪地元のアマチュアギタークラブの演奏会。
バッハ=チェンバロの饗宴 1998/03/21 東松山文化会館ホワイエ 崎川晶子/芝崎久美子/森洋子/横田まゆみ(cemb), 他 [曲]J.S.バッハ: チェンバロ協奏曲BWV1057, 1060, 1064, 1065, 他
♪4台のチェンバロのための協奏曲を生で聴くという、 私にとって積年の念願が叶った一夜。 4台のチェンバロのゴージャスな響きを、最小編成のオケが歯切れよく支える。 こんなに至近距離で演奏を聴ける機会なんて、滅多にないこと。 地元で本格的な古楽に会えること自体も嬉しい。
寺神戸亮 バッハ・無伴奏ヴァイオリンの夕べ 1998/03/16 紀尾井ホール J.S.バッハ: ソナタNr.1 g BWV1001, パルティータNr.3 E BWV1006, パルティータNr.2 d BWV1004
♪明快な音色、くっきりしたアーティキュレーション。 この曲は今まで、実演も録音も含めて「これぞ」と言うべきものがなかったが、 ようやく本物に出会えた感があった。 自発的に変奏を付け加えていたのも意欲的。 アンコールでは無伴奏フルートソナタからの編曲も披露。
DoCoMoコンサート 〜若き才能と世界的アーティストを迎えて 1998/03/04 群馬音楽センター レギナ・シェルク(S), 川島基(p), 三石精一(指揮), 東京メモリアルオーケストラ [曲]ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番, ヴェルディ: 歌劇「椿姫」より序曲・ああそは彼の人か, J.シュトラウス: 歌劇「こうもり」より序曲・チャルダーシュ, 他
♪NTTドコモ主催のチャリティーコンサート。 生気溢れるオケ、溌剌としたピアノ、表現力豊かなソプラノ。 これだけ充実した内容で、協力金¥500は安過ぎる!
トン・コープマン チェンバロ・リサイタル 1998/02/22 武蔵野市民文化会館 スヴェーリンク, ブクステフーデ, L.クープラン, フローベルガー, フレスコバルディ, J.S.バッハ, フォルクレ, デュフリ, F.クープラン, パーセル, フィオッコらの作品
♪チェンバロの「激しさ」に焦点を当てたかのような選曲。 有名曲が皆無なのも嬉しい。 鳴りすぎるほどによく鳴るチェンバロの音、絶好調のコープマン。
さだまさしコンサート 1998/01/21 行田産業文化会館 「Dream・夢唄」
♪久しぶりのレギュラーのコンサート。想像を絶するアンコール。
バッハ・コレギウム・ジャパン/クリスマス・オラトリオ 1998/01/10 東京オペラシティ コンサートホール 東京オペラシティコンサートホールオープニングシリーズ [音楽監督]鈴木雅明 [曲]J.S.バッハ: クリスマス・オラトリオBWV248 第4部〜第6部<新年>
♪年末に引き続き後半。まさに完璧な演奏。 エコーアリアでのオーボエのポンセールは印象的。 CD化が待ち遠しい。

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(紺野裕幸)

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