2005 | |||
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タイトル | 日付 | 会場 | データ、感想 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業2005「ヴィヴァルディ公演」 | 2005/12/04 | 北とぴあ さくらホール |
[指揮]寺神戸亮 [管弦楽]レ・ボレアード
[朗読]ダリオ・ポニッスィ
[曲]ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》、
ヘンデル:合奏協奏曲Op.6-11、
テレマン:2つのシャリモーのための協奏曲、
コレッリ:合奏協奏曲Op.6-8
♪ 一昨日とは打って変わって、小編成の器楽バンドによる協奏曲プログラム。 寺神戸さんご自身もヴァイオリン奏者として参加。 全体に愉悦感に満ちた演奏ぶりで、奏者の皆さんも楽しそう。 「四季」は、かなり思い切った極端な変化を付けた演奏で、 しかもポニッスィさんによる寸劇(パントマイム)と詩の朗読(日・伊)も大変面白く、 この曲の持つ演劇性・描写性を伝えるのに大いに寄与していた。 なお来年は「北とぴあ国際音楽祭」として本格再開とのことで、 大変嬉しいが、あまり大風呂敷を拡げず地道に続けて欲しいと願う。 北区文化振興財団。 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業2005「モーツァルト公演」 | 2005/12/02 | 北とぴあ さくらホール | [指揮]寺神戸亮
[独唱]野々下由香里、上杉清仁、鈴木准、小笠原美敬
[管弦楽・合唱]レ・ボレアード
[曲]モーツァルト:歌劇《魔笛》KV620序曲、レクイエムKV626
ハイドン:交響曲第98番Hob.I.98
♪古楽としては大編成のオーケストラ。 さすがに高水準の演奏で、特に木管の美しさは印象的。 後半のレクイエムの合唱、古楽にしては大人数が登壇して、 しかも大半が地元のアマチュアとのことで、どうなることかと思ったが、 しかし最初の発声を聴いてびっくり。完全に統率の取れた、 安定で正確な、見事な合唱であった。 人数の多さが迫力が直結した劇的な演奏に、大いに満足。 北区文化振興財団。 |
アジナイホール くさのみちコンサート | 2005/11/26 | 深谷市民文化会館 | [演奏]アジナイホール:
T.エンフマンライ(シンセサイザー、ギター)、
I.アマウトヴシン(馬頭琴)、S.A.ボルドバートル(馬頭琴)、
B.チョローンツェツェグ(モンゴル琴)、S.オトゴンバヤル(歌)、
大澤逸人(ベース)
♪馬頭琴を中心としたモンゴル音楽のコンサート。 前半は伝統音楽を中心に、後半は主にオリジナル曲の構成。 この馬頭琴奏者二人によるコンサートは過去に数回聴いているが、 今回は中心人物のエンフマンライさんや、 歌手(澄んだ力強い高音域)も含めた豪華編成で、これまで以上の充実感あり。 楽器の組み合わせを色々変えての構成も工夫されていた。 この企画は、アジナイホールファンの地元有志による自主企画で、 全席完売の盛況になってよかったと思う。 アジナイホール。 |
折々の会 第30回サロンコンサート
「ブランデンブルク協奏曲4番5番6番 〜3人のソリストと2台のチェンバロによる〜」 |
2005/10/29 | 東松山市平野市民活動センター |
[演奏]星野麗(ヴァイオリン)、細岡ゆき(リコーダー、ヴォイスフルート)、
山岡重治(リコーダー)、矢野薫(チェンバロ)、横田まゆみ(チェンバロ)
♪ 第30回記念として、ブランデンブルク協奏曲の後半3曲を、チェンバロ2台を含む 極小編成で演奏すると言う、意欲的かつスリリングな試み。 個々のパートがはっきりと聞き取れて曲の構造がより掴み易かった一方で、 響きの厚みにやや物足りなさを感じたのも確か。 何れにせよ、こんな風に編曲されてもなおも充実感のある音楽を作った バッハの凄さを再認識した。 使用チェンバロ2台は勿論、主宰の横田さん製作によるもの。 実演を交えた楽曲解説(特に第6番のカノン構成には驚き!)も大変有り難いもの。 折々の会。 |
「美しい夜の音楽 〜秘めやかなリュートソングとバロック歌曲の豊饒〜」 | 2005/10/05 | トッパンホール | [出演]エヴリン・タブ(ソプラノ)、波多野睦美(メゾ・ソプラノ)、
つのだたかし(リュート)
[曲]H.パーセル:メアリ女王の死を悼むエレジー、
R.デリング:聖人たちの魂は天国で喜びを得る、
T.キャンピオン:来たれ晴れやかな日、
J.コペラリオ:逝ける者への涙(全7曲)、他
♪ 一昨年の公演の印象も忘れ難いタブ&波多野が再共演。 二人の声は完全に寄り添い、溶け合い、究極の二重唱を形成していて、 しかもつのださんのリュートとも完全に一体化。 とりわけ弱音の魅力は、何と言ってよいやら、筆舌に尽くしがたい。 これだけの調和が生み出されているのは、 三人の目指す方向性がすっかり重なっているからだろう。 公演前にレコーディングもされたそうで、CDも今から待ち遠しい。 ダウランドアンドカンパニイ。 |
ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI | 2005/09/25 | 武蔵野市民文化会館小ホール | [出演]
モンセラート・フィゲーラス(ソプラノ)、
アリアンナ・サヴァール(歌、アルパ)、
ジョルディ・サヴァール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ファーミ・アルクァイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
平尾雅子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ロルフ・リスレヴァンド(ヴィウエラ、ギター)、
ペゴーニャ・オラビデ(サルテリオ)、
ペドロ・エステヴァン(パーカッション)、
[曲]ドン・キホーテとミゲル・デ・セルバンテスの音楽
「スペイン黄金世紀の光と影」
♪ 自身のバンドを率いて、久し振りの来日公演。 器楽曲と歌とが交代するプログラムで、 神聖な感じの曲もあれば、異国趣味っぽい曲もあり。 歌の抑揚、特にフィゲーラスの歌い方の感じは、 ガンバ合奏の抑揚の感じとすっかり同じになっていて、 何と息のあった合奏体であることか。 参加予定だったソフィー・ワティロンが急逝のため、 代役で愛弟子の平尾雅子さんが参加。 |
バッハ・コレギウム・ジャパン 第70回定演 | 2005/09/15 | 東京オペラシティ コンサートホール | J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズ〜ソロ・カンタータ(1)
[音楽監督]鈴木雅明
[独唱]キャロリン・サンプソン(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)
[曲]J.S.バッハ: 教会カンタータNr.35,51,1083
♪前半は独唱カンタータ2曲で、どちらも極上。 BWV35はオルガン協奏曲風だが、鈴木雅明さんの手許を見ると、 独奏パートは殆ど片手で弾ける様子。 加えて、5月に発見されたばかりの新発見アリアBWV1127を演奏。 通奏低音伴奏でソプラノが歌を何度も繰り返し、 間に弦楽合奏のリトルネッロが挟まる曲。 最前線の体験をさせてもらえて本当に有難い。 後半はオルガン独奏(BWV534)に続いてBWV1083で、 ペルゴレージ『スターバト・マーテル』をバッハが編曲したもの。 大枠は原曲通りだが、要所要所で音の動きが追加されるのが、 いかにもバッハらしい。二人の声は相性もぴったり。 BCJ。 |
大島保克『島めぐり〜Island Journey〜』発売記念コンサート | 2005/07/18 | 世田谷パブリックシアター | [共演]仲宗根“サンデー”哲(太鼓・囃子)、鳩間可奈子(唄・三線)
[ゲスト]近藤研二(ギター)、姜小青(中国古箏)
♪ 八重山民謡の若手第一人者の東京公演は、追加席が大量に用意された程の大盛況。 トークを挟みながら、八重山・沖縄・宮古の民謡やオリジナル作品が、 緩急織り交ぜて演奏された。大島さんの老成した声と滑らかな節回し、 鳩間さんの高音域までまったく淀みのない歌声、 両者の掛け合いには本当に惚れ惚れ。三線の巧さも言うに及ばず。 サンデーさんの太鼓や囃子が、謂わば通奏低音のようにしっかり支える。 ゲスト二人の要所要所での絶妙のサポートも絶妙。 前方(2列目)の席だったことも含めて、まさに至福の2時間半。 流星群。 |
登川誠仁プレゼンツ『沖縄・奄美 島々のうた』 | 2005/07/10 | 大田区民ホール・アプリコ | [出演]登川誠仁(沖縄)、下地勇(宮古)、
築地俊造 with RIKKI(奄美)、新良幸人(八重山)
♪ 沖縄・奄美の各地域から選りすぐりの唄者を集めた、豪華でお得な3時間半。 下地勇はギターを携えジャズ風あるいはフュージョン風でありながら、 歌詞は徹底して宮古方言。 築地俊造とRIKKIは奄美三線で端正にかつ力強く民謡を歌い、 今回の出演者の中では最も正統派の趣。 新良幸人は三線とピアニストによる伸びやかな演奏で格調高く、 一方で曲間のトークはギャグ満載。 登川さんは、全体の司会を務めつつ、各奏者との競演もこなし、 そして最後には独演会。 冗談だか本気だか分からないとぼけたような味わいと、 超絶な唄と演奏ぶりは、これぞ究極の芸人の感。 アンコールは殆どお祭り状態。 |
バッハ・コレギウム・ジャパン 第69回定演 | 2005/06/24 | 東京オペラシティ コンサートホール | J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズ〜ライプツィヒ1725年(3)
[音楽監督]鈴木雅明
[曲]J.S.バッハ: 教会カンタータNr.126, 127, 1
♪開演前に鈴木雅明さんのお話。 今回でコラール・カンター年巻が完了すること、 1725年3月頃のバッハの作曲状況のこと、 BWV127の重層的な構造についてなど、聴き手への教育的配慮が嬉しい。 恒例の冒頭オルガン独奏は、第1部と第2部のそれぞれ スヴェーリンクとブクステフーデのコラール変奏。 今回の最大の収穫はキャロリン・サンプソン(S)で、 とりわけBWV127のアリアでの抑制の効いた滑らかな歌は、 オーボエの絶妙の節回しも相俟って、えも言われぬ情感を醸し出していた。 大好きなゲルト・テュルク(T)を久し振りに聴けたのも嬉しい。 BCJ。 |
折々の会 第29回サロンコンサート
「中世・ルネッサンスの放浪楽師たち」 |
2005/05/28 | 東松山市平野市民活動センター |
ジョングルール・ボン・ミュジシャン=ライヴ!
[演奏]辻康介(歌、語り)、久保田潤子(歌、ハープ他)、
近藤治夫(バグパイプ、ハーディガーディ他)、
飯塚直子(パーカッション、リコーダー他)、
駒澤隆(中世フィドル他)
♪敷布の上にずらり並べられた多種多様の古楽器を自在に駆使して展開される、 中世〜ルネッサンスの世界。聖母マリアの起こした奇蹟を修道士が(日本語で) 物語ってゆく体裁で、しかし実際には聖から俗まで何でもあり。 辻さんの気の利いた話術のためもあって、非常に楽しい内容。 日本語での歌も意外に違和感を感じないが、 お下品系の俗謡は日本語だと露骨過ぎてさすがにちょっと…。 折々の会。 |
バッハ・コレギウム・ジャパン 第68回定演 | 2005/04/21 | 東京オペラシティ コンサートホール | J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズ〜ライプツィヒ1725年(2)
[音楽監督]鈴木雅明
[曲]J.S.バッハ: 教会カンタータNr.41, 92, 130
♪オープニングのオルガン独奏、今日は鈴木雅明さん本人による ブクステフーデ、ヴァルター、カウフマンの作品(ソプラノ歌唱付)。 今回はトランペット3本+ティンパニ+オーボエ3本を含む大編成の迫力。 初登場のドミニク・ヴェルナー(B)は堂々たる風格の流麗な声。 同じく初登場の山下牧子(A)の豊かな声には、女性アルトもよいものだと思う。 Nr.41のチェロ・ピッコロ付きのテノール・アリアは感涙もの。 BCJ。 |
折々の会 第28回サロンコンサート
「チェンバロの激情と浪漫」 |
2005/03/26 | 東松山市平野市民活動センター | ピアノ音楽への路を切り開いた音楽家たち
[演奏]ミケーレ・ベヌッツィ(チェンバロ)
[曲]D.スカルラッティ、P.D.パラディーズ、J.J.アグレル、W.F.バッハ、C.Ph.E.バッハ、J.W.へスラーの鍵盤作品
♪チェンバロが廃れてゆく直前、ピアノ音楽へと移行してゆく時期の 鍵盤音楽を集めたプログラム。 演奏は、やや推進力に欠けるところがあり、 曲によってはもう少し熱狂して欲しいところで、不完全燃焼の感が少々。 ただ、このようなマニアックな選曲を(しかもこのような地方公演の場で) 敢行した奏者の意気込みは評価したい。 使用楽器は横田ハープシコード工房の最新作のジャーマン・モデル。 折々の会。 |
浅井万水美 presents 春・咲・室内楽 | 2005/03/16 | クレアこうのす 小ホール | [演奏]浅井万水美(vn)、齋藤英恵(va)、植草ひろみ(vc)、腰塚賢二(p)
[曲]シューベルト: アダージョとロンド・コンチェルタンテD487、
ブラームス: ピアノ四重奏曲第1番op.25、
ピアソラ: リベルタンゴ、モンティ: チャールダーシュ、
ブラームス: ハンガリー舞曲第5番、他
♪ 鴻巣市文化センター主催「若い芽のコンサート」シリーズ。 全員での四重奏曲と、各奏者のソロ曲を組み合わせたプログラム。 ソロ曲ではそれぞれ、旋律美の曲と熱狂的な曲とを組み合わせてあり、 しかも緩急や強弱の自由度が高く、生演奏ならではの喜び。 合奏曲はやや知名度の低い2曲(しかも私には苦手分野)だが、 どちらもめりはりの利いた高水準の演奏で、実に楽しかった。 曲間の解説や雑談も嬉しい。 |
ザ・ハープ・コンソート 《哀愁のケルト》 | 2005/03/02 | 津田ホール | [演奏]
クララ・サナブラス(ソプラノ、バロック・ギター)、
スティーヴン・プレイヤー(ダンス、ダブリン・ギター、バロック・ギター)、
イアン・ハリソン(バグパイプ、ショーム、コルネット、フィドル)、
ジェイン・アハトマン(フィドル、ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ミヒャエル・メツラー(パーカッション)、
アンドルー・ローレンス=キング(音楽監督、
アイリッシュ・ハープ、バロック・ハープ、プサルテリウム)
♪2002年以来2年半振りの来日公演。 楽しみにしつつも、プログラム自体は少々マンネリ気味かと思っていたのだが、 実際には過去の公演以上に楽しい内容だった。 新顔のハリソンの豪快な管楽器の音が、今回のステージを大きく方向付けていた。 いつも通り、ローレンス=キングは平易な英語で曲目解説しながら進めてゆき、 プレイヤーのパフォーマンスやサナブラスの歌声など見せ場も沢山。 |
バッハ・コレギウム・ジャパン 第67回定演 | 2005/02/24 | 東京オペラシティ コンサートホール | J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズ〜ライプツィヒ1724年-XV
[音楽監督]鈴木雅明
[曲]J.S.バッハ: 教会カンタータNr.123, 124, 125, 111
♪ オープニングのオルガン独奏はBWV538「ドリア調」に挟んでBWV616。 ブレイズ(CT)がインフルエンザで不調のため、アリアのみ担当し、 レチタティーヴォはコーイ(B)が代役。 初登場のヴェラー(T)は、声量は大きくないものの、安定した好演。 今回はオーボエとフルートの聴かせ所が多く、特にNr.125の掛け合いなど美の極致。 最後に挨拶で、歌手の代役について 「恐らくバッハにも同じような事があったのではないか」 と仰る音楽監督の名言に、何だかバッハへの親近感が急増した感あり。 BCJ。 |
武井英哉チェロリサイタル | 2005/01/22 | クレアこうのす 小ホール | [共演]新垣隆(ピアノ)
[曲]シューマン: 幻想小品集op.73&トロイメライ、
サン=サーンス: 白鳥、グラナドス: 間奏曲、ドビュッシー: チェロソナタ、
フォーレ: エレジーop.24、ベートーヴェン: チェロソナタ第5番op.102-2
♪ 鴻巣市文化センター主催「若い芽のコンサート」シリーズ、意外にもほぼ満席。 若手奏者2人による演奏は堅実で、模範的と言ってよいほど、 完全に安心して聞いていられるもの。 私には苦手なロマン派中心のプログラムだったが、まったく退屈することもなかった。 曲間のトークも、気取りのない人柄が感じられ好感。 欲を言えば、実演では、曲の緩急や強弱の自由度(遊び心)を高めれば、 一層楽しめるものになると思う。 |
さだまさし コンサートツアー 2004-2005 《恋文》 | 2005/01/16 | 大宮ソニックシティ 大ホール | ♪ 「道化師のソネット」の頃さだファンになって丁度25年、 しかしまさかこんな機会が来るとは夢にも思っていなかった。 私の映画仲間(と言うより先輩)が、 実はさだバンドのパーカッション奏者・川瀬正人さんと高校の同窓で、 現在も親交が密であることが判明。その縁で、この日、 開演前の楽屋にお邪魔して、川瀬さんばかりか、 畏れ多くもさださんご本人との面会を許されるいう、 奇跡のような機会に恵まれたのである。 私はガチガチに緊張してしまったが、 さださんはステージ上で拝見する以上に本当に誠実な印象の方であった。 頂戴したさださんと 川瀬さんのサインは、 私にとってこの上ない宝物となった。 ありがとう、さださん。これからもずっと付いてゆきます。 さだ企画。 |
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