コンサート寸評 2007年

prev2006年←  index索引  →next2008年


2007
タイトル 日付 会場 データ、感想
北とぴあ国際音楽祭 モンテヴェルディ「オルフェーオ」 2007/11/17 北とぴあ さくらホール [管弦楽・合唱]レ・ボレアード [指揮]寺神戸亮 [演出]野村四郎、笠井賢一 [曲]C.モンテヴェルディ:歌劇「オルフェーオ」
♪ 北とぴあ国際音楽祭の恒例オペラ公演。 今回の特徴は、演出に能楽の要素を大きく採り入れていたこと。 実際、能のように四角く区切られた舞台の中で、 能を思わせる比較的ゆっくりした動きが多く、 望月通陽さんによるゆったりした衣装も相俟って、独特の雰囲気を醸し出していた。 演奏は極上で、レガール(ビリビリした音の小型オルガン)など珍しい楽器も 惜しみなく起用され、作曲者の意図を極力そのまま再現していた。 一方で演出は、バロックの動的な音楽に 能の静的な動きがあまり馴染んでいない感じで、成果については少々疑問。 しかし、このような異種の分野のコラボレーションが、 長い目で見れば色々な共同作業の成果を生み出す可能性を秘めている訳で、 その試み自体に対しては拍手を送りたい。
折々の会 第34回サロンコンサート スコラ・カントールム 「法悦のハーモニー/ルネッサンス教会音楽の夕べ」 2007/10/27 東松山市平野市民活動センター [演奏]合唱団スコラ・カントールム [指揮]野中裕 [曲]ジョスカン・デ・プレとパレストリーナの作品
♪ 古楽の様式を踏まえたハイレベルなアマチュア合唱団。 出演者は総勢21名で、決して大規模ではないものの、 室内楽が「折々の会」としては異例の大人数。 演奏曲は、ルネッサンス期を代表する二人の作曲家、ジョスカン・デ・プレと パレストリーナの作品で、両者の作品を交互に聞き比べることによって、 両者の作風の違いを感じてもらおうとする試み。 更に、ミサ曲の元となったグレゴリオ聖歌を事前に聞かせることで、 「通模倣様式」についても分かるような工夫も。 指揮者による明快な解説のためもあり、実際この両者の作風の違いを実感した。 器楽伴奏なしの宗教音楽だが、全く退屈することなく、 極めて面白く聞くことができ、しかもこの時代の音楽に多少詳しくなれて嬉しい限り。 折々の会
山西省京劇院訪日公演 2007/10/07 熊谷会館 [演目]鉄弓縁、痴夢、火雲洞
♪ 京劇を観るのは(北京に旅行した時以来)2度目。 3つの演目は、それぞれ立ち回り系、歌唱系、集団曲芸系と内容の傾向を異にしている。 開始前に簡単に粗筋がアナウンスされ、電光掲示板による日本語字幕も出ているので、 言葉は分からなくても内容はしっかりと把握できた。 舞台装置はかなり簡素で、しかも激しい演舞のために床にマットが敷いてあり、 器楽演奏陣も黒い囲いの中に隠れているので、舞台は一見ちょっと殺風景。 しかしそのことがむしろ、 豪華絢爛な衣装を纏った俳優たちを引き立てることになっていた。 歌については、京劇らしい耳に刺さるような高音域があまり聴かれなかったのが 残念。サーカスを思わせるような曲芸の数々も面白かった。
鼓童 ONE EARTH TOUR 2007 2007/09/17 鴻巣市文化センター・クレアこうのす ♪ 佐渡を本拠地とする和太鼓合奏団、生で聴くのはこれが2度目。 中心軸は和太鼓の演奏にありるが、歌や笛や踊りなども交えた、 極上の総合舞台芸術と言えるもの。 休憩なしの1時間半、曲ごとに編成は多様で、 しかも曲と曲のつなぎも考え抜かれていて、プログラムは高度に洗練されている。 今回の曲目には、一度は生で聴いてみたいと願っていた 石井眞木「モノクローム」が含まれ、 小太鼓の精緻なアンサンブルによる音の重なり合いによって、 自分でも何が何だか分からないような不思議な感覚に頭の全体が満たされて、 もうどうしようもない程に心が揺さぶられた。物凄い曲に、物凄い演奏である。 一方で、大太鼓の力強さと格好よさにも圧倒的な感動あり。 他にも、繊細な歌あり、曲芸と言える程の舞台演出ありで、 何度も目が潤んでしまうほどの大満足。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第78回定期演奏会 2007/09/16 東京オペラシティ J.S.バッハ/ソロ・カンタータIII [音楽監督]鈴木雅明 [独唱]キャロリン・サンプソン(ソプラノ)、ペーター・コーイ(バス) [曲]J.S.バッハ: カンタータNr.84, 56, 82(第2稿ソプラノ版), 49
♪ 今回はソロ・カンタータ集で、コラールも独唱4人で歌われたため、 合唱団が背後におらず、管弦楽も小さめの編成で、 しかも恒例のオルガン独奏もなかったので、 いつもの定演とはちょっと雰囲気が違っていた。 しかし演奏は、いつもにも増して極上。 BWV82(Ich habe genung)は、バス・カンタータとして有名だが、 今回はソプラノ稿による演奏。バス稿でのオーボエが、 ソプラノ稿ではフラウト・トラヴェルソに置き換わっていて、 両者の絡み合いはあまりにも美しい。 また、BWV49でのチェロ・ピッコロのパートには、 もはやお馴染みとなったヴィオロンチェロ・ダ・スパラが使われた。 先駆的な試みなのに、もう当たり前のように合奏体の一部と化している。
はいさいライヴinきたもと「おきなわ うた遊びコンサート」 2007/08/25 北本市文化センター [出演]下地勇(宮古島)+川満睦(ピアノ)、松田しのぶ(沖縄本島)、池田卓(西表島)+金川哲也(ギター)、新良幸人(石垣島)+サンデー(太鼓)、てぃだエイサー隊(地元)
♪ 豪華メンバーによる沖縄音楽のジョイント・コンサート。 下地勇は、色々なスタイルのオリジナル曲を披露。よく知っている筈の「おばぁ」も生で聴いたらやはり涙が出てしまった。観客を合唱パートに組み込んだ「アタラカの星」も圧倒的な感動あり。 松田しのぶは、きちんと曲の解説を交えながら、滑らかな歌声で本島系の民謡を次々に紹介。 池田卓は、八重山民謡とオリジナル曲がほぼ半分。特に「おばあちゃんのうた」は、やはり涙を堪えられず。若いのに民謡も見事。 新良幸人は、三線の超絶技巧も、風格を感じさせる歌声も、やはり別格。八重山民謡に加えて、パーシャクラブのオリジナル曲も演奏。曲の解説に繋げた爆笑トークがある一方で、ご出身の石垣島白保のサンゴの危機的状況にあることについての真面目なトークも印象的。 ホールの大きさに対してPAの音量があまりにも大き過ぎて、音響的には甚だよろしくなかったが、内容自体はもう最高。
琉球フェスティバル '07 2007/07/29 日比谷野外大音楽堂 [出演]かりゆし58、桑江知子、池田卓、与那覇徹、朝崎郁恵、大島保克、大工哲弘、大城美佐子、パーシャクラブ [司会]キャン×キャン
♪ 今年は全体にしっかりと歌を聴かせる内容で、休憩なしの4時間強たっぷりと楽しませてもらった。 キャン×キャンは、観客を交えて大いに盛り上げ、途中で自分たちのネタも披露。 かりゆし58は、戦火に見舞われた自分たちの島の歴史をしっかりと弁えていた。 桑江知子は、持ち歌のポップスを数曲。折角なら民謡も聴きたかった。 池田卓は、オリジナル曲を披露。特におばぁの歌にはちょっと涙が出てしまった。 与那覇徹は、自分以外の出番でも殆ど参加。歌も三線も笛も太鼓も何でもこなす才人。 朝崎郁恵の奄美独特の歌い方は、曲調も含めて明らかに他と趣きを異にしている。 大島保克はオリジナル曲中心。この歌声には何度聞いてもほれぼれ。 大工哲弘は、大工苗子さんと出演。気さくで力みのない歌には、何とも豊かな気分。 大城美佐子さんは、キビキビとした佇まいと芯のある歌声で、民謡を歌い上げた。 トリのパーシャクラブの頃に雨が降り始めたが、既に会場は総立ち状態だったので気にならず。
大島保克 with ジェフリー・キーザー 2007/07/11 カザルスホール [演奏]大島保克(唄、三絃)、ジェフリー・キーザー(ピアノ) [ゲスト]武川雅寛(ヴァイオリン、マンドリン)
♪ 新CDアルバムの発売記念ツアー。 前半は、CDに収録された曲から演奏。 ピアノ演奏は、ジャズピアニストらしくCDに収録された音とかなり違って即興的で、 既知の曲も新鮮な気分で楽しめた。 後半は、キーザーのソロ2曲からスタートし、 武川雅寛が合流、3人編成で民謡とオリジナル曲を交えて演奏。 大島の惚れ惚れするような伸びやかな声に、即興的に絡むピアノと弦楽器は、 キーザーの言う「島ジャズ」そのもの。 今まで聴いた大島のライヴでも最高の内容だったと思う。 キーザーはいかにも楽しくて仕方ないと言った表情で弾いていた上に、 特訓した日本語での挨拶まで披露。 大島の曲間のトークも、いつもながら彼の人柄が表れていてよい。 音響のよいホールなのに、PAを使用していたのが少々残念。 大島保克
まさしんぐWORLDコンサート2007 2007/06/30 東京国際フォーラム ホールA ♪ さだまさしファンクラブ会員向けコンサート、 第22回目の今回は「リクエスト・コンサート」。 事前にファンクラブの会報で募った「好きな曲」リクエストの上位100曲が、 あいうえお順に番号付けされて配布されている。これに対応して、 連番が書き込まれたピンポン玉が抽選箱の中に入れてあり、 コンサート中、その場その場で適当に選ばれた観客が、 抽選箱からピンポン玉を一つ取り出して、 そこに書かれていた番号に対応する曲を演奏する、と言う企画。 聞き手は勿論のこと、演奏する側にも全く先が読めない、 非常に面白くスリリングな試み。 元々ファン投票の上位曲から選ばれていることもあって、 しっとりと聴かせるバラード系の曲も多く、かなり感動的でもあった。 バンドはいつもの最強メンバー(倉田・石川・宅間・川瀬・岡沢)で、 かつてこの編成でやったことのない曲さえ、難なく演奏してしまうあたりはさすが。 前座のチキン・ガーリック・ステーキと佐田玲子さんから始まって、 あっと驚くアンコールから更にもう1曲のリクエスト選曲に至るまで、 ディープに楽しめた約3時間半。 さだまさし
グスタフ・レオンハルト チェンバロ・リサイタル 2007/06/25 トッパンホール [曲]フレスコバルディ、フローベルガー、他の作品
♪ 今回は2004年6月以来3年振りの来日公演。 舞台の上にはイタリアン・タイプとフレンチ・タイプの2台のチェンバロが用意され、 それぞれ前半・後半で使用。曲目も楽器に合わせて、 前半はどちらかと言えば即興的要素の多い単品の作品が、 後半は様式化された組曲ものがプログラムされていた。 いつものことながら、有名曲はほぼ皆無のプログラムで、 今回はJ.S.バッハさえ1曲も含まれていない。 演奏は、毅然としていながらもテンポの揺らぎは柔軟で、 相変わらず(歳による)枯れた感じはない。 時々(グールドのように)低く歌う声が聞こえたのは気のせいか(?)。 休憩時間にご本人による調律が行われるのもいつも通り。 いくら衰えを見せないとは言っても、巨匠はもうすぐ80歳になる訳で、 これが最後の来日公演になってしまわないよう願っている。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第77回定期演奏会 2007/06/13 東京オペラシティ J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズVol.49 ライプツィヒ1725年のカンタータ7 [音楽監督]鈴木雅明 [独唱]野々下由香里(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、櫻田亮(テノール)、ペーター・コーイ(バス) [曲]J.S.バッハ: カンタータNr.137, 165, 168, 79
♪ オープニングのオルガン独奏は、若き日のバッハが大いに影響を受けた ブクステフーデのプレルーディウムと、バッハのコラールBWV657。 特にブクステフーデの目まぐるしく変わる曲調には、 バッハの若い頃のオルガン作品との類似性を感じた。 メインのカンタータ4曲は有名曲ではないが、 内容的には充実したもので、トラヴェルソ2本、オーボエ2本、 トランペット3本とティンパニ、コルノ2本と、 多様な管楽器の聴かせどころも揃っている。 独唱陣では、いつもながらブレイズが実によく、 特に野々下との二重唱など何度でもリピートして欲しいと思う程。 BCJ
折々の会 第33回サロンコンサート 「フルート音楽の黄金時代〜前田りり子/フルートリサイタル〜」 2007/05/19 東松山市平野市民活動センター [演奏]前田りり子(フラウト・トラヴェルソ)、上尾直毅(チェンバロ)、山本徹(バロック・チェロ) [曲]C.P.E.バッハ:ハンブルク・ソナタ、 G.F.ヘンデル:ソナタG、J.S.バッハ:ソナタA、M.ブラヴェ:ソナタb、他
♪ 古楽フルート奏者の若手第一人者のリサイタル。 C.P.E.バッハによるオープニングの後、 前半はフルートの変遷の歴史についてのレクチャー付きコンサート。 奏者ご自身が持参した、ルネッサンス、オトテール、バロック、クラシック、 ロマンティック、現代(1847年ベーム式)と実に6種類のフルート、 それぞれの特徴と時代背景についての要領を得た説明や実演の後に、 実際にその時代の音楽を演奏。極めて面白く有益なもの。 これだけ異なる楽器を、当たり前のように楽々と演奏してしまうあたりが、 この奏者の凄いところ。 後半はバロック・フルートによる後期バロックの演目。 私の最も好きな時代の音楽を、こんな極上の演奏で、しかも至近距離で聴けて大満足。 折々の会前田りり子
木津茂理ソロコンサート 2007/04/22 埼玉伝統工芸会館 [出演]木津茂理(唄・太鼓・三味線)、木津かおり(三味線・唄)
♪ 三味線と太鼓を伴奏に、日本各地の民謡を計20曲ほど演奏。 姉妹共に、堂々たる実に見事な歌声で、それほど民謡(沖縄系以外)が好きでない私も、 引き込まれるように聞き入ってしまった。 茂理さんの太鼓は時に激しく時に軽快に曲を盛り上げて、 かおりさんの三味線も凄い腕前で絶妙そのもの。 よく調和する二人の歌声だが、茂理さんはやや現代向き、 かおりさんはやや古典向きの、ちょっと傾向の違う印象なのが面白い。曲の合間の ちょっとしたお話にも、姉妹それぞれの実直な人柄が現れていて、好感度大。 小さな会場で、PA(マイクやスピーカー)なしの生音を聴けたのも嬉しいこと。 木津茂理木津かおり
バッハ・コレギウム・ジャパン 第76回定期演奏会 2007/04/16 東京オペラシティ 受難節コンサート2007 [音楽監督]鈴木雅明 [独唱]野々下由香里(ソプラノ)、ダニエル・テイラー(カウンターテナー)、ユリウス・プファイファー(テノール)、ドミニク・ヴェルナー(バス) [曲]J.S.バッハ: ヨハネ受難曲(第4稿)BWV245
♪ 恒例の聖金曜日の受難曲公演、ヨハネ受難曲は4年振り。 編成は通常のカンタータ公演と同程度の小さな規模だが、 巨大なコントラファゴットを含めて通奏低音が増強されているのが特徴。 初登場のプファイファーは、非常に丁寧で安定した歌だがやや緩急の抑揚に乏しく、 特に前半は曲の流れや勢いに乗れていないように思った。 しかし後半、その揺らがない安定感が、とかく激しやすいこの曲に 冷静さをもたらしているようにも思えて来て、ちょっと新鮮でもあった。 フルート独奏付きのソプラノのアリアでヴァイオリン(弱音器付き)がユニゾンで 奏していたことや、終結のコラールが冒頭から力強く歌い出されていたことが 注意を引いた。 BCJ
うりずんぬ宴 春を呼ぶ沖縄の唄・踊り・エイサー 2007/03/11 大泉町公民館 [唄・三線]石井道康、小山紀子、斉藤百子 [琉球舞踊]小山紀子、紫垣和江、入澤紀
♪ 沖縄民謡のイベント。 前半は沖縄を巡るトークと、沖縄伝統衣装の紹介。 沖縄の風土と文化を心底愛する面々によるトークは面白く、 しかも大変ためになるもの。衣装は、入澤紀さん(琉球舞踊家)が、 客席にいる中から体格の合いそうな人を何人か舞台に上げて、 実際に目の前で着付けて見せてくれた。 後半は、唄と舞踊のステージ。三線弾き語りによる八重山民謡は、 それぞれ皆とてもアマチュアとは思えないレベル。 琉球舞踊も、美しい衣装のためもあって、なかなかの見物。 更に、栃木の愛好家グループ「琉和」によるエイサーの演舞あり、 地元の三線同好会による合同の集団演奏ありと、内容盛り沢山。 これで無料とは申し訳ない位。 石井道康
ジャン=クロード・ツェンダー チェンバロ&オルガン・リサイタル 2007/03/10 武蔵野市民文化会館 [曲]J.S.バッハ: フランス組曲第5番BWV816、パルティータ第4番BWV828、前奏曲とフーガBWV549a, 547、他
♪ スイス出身の鍵盤楽器奏者の初来日公演。 曲目は全部J.S.バッハの作品。前半がチェンバロ、後半がオルガンと言う構成。 前半のチェンバロ、堅実な演奏ではあるものの、チェンバロらしい溌剌さに乏しく、 正直ちょっと物足りなさを感じた。 しかし、後半のオルガンで、印象はすっかり一転。 非常に生気に富んだ堂々たる演奏で、しかも音栓の切り替えの変化が多彩で、 素晴らしいもの。ここでようやく、この奏者が、 前半のチェンバロもオルガン的な捉え方で弾いていたことに気付かされた。 そう思えば、あの落ち着いたテンポ運びにも納得。 アンコールは、ヘンデルの鍵盤組曲の中のパッサカリアで、 本来はチェンバロ用の曲だが、ここではオルガンで演奏された。
バッハ・コレギウム・ジャパン 第75回定期演奏会 2007/02/12 東京オペラシティ J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズVol.48 ライプツィヒ1725年のカンタータ6 [音楽監督]鈴木雅明 [独唱]キャロリン・サンプソン(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、ゲルト・テュルク(テノール)、ペーター・コーイ(バス) [曲]J.S.バッハ: カンタータNr.28, 183, 85, 175, 68
♪ コラール前奏は、今回は大オルガンでなく、コンチェルト・パラティーノと 小型オルガン、ヴァイオリンの合奏による。 メインは、比較的短めのカンタータが5曲。今回の最大の特徴は、 4曲に含まれるヴィオロンチェロ・ピッコロのパートでの ヴィオロンチェロ・ダ・スパラの採用。 第71回定演に続いて、この楽器を復元した本人でもある ディミトリー・バディアロフ氏による演奏で、 独奏パートが自然に合奏や歌に馴染んで聞こえ、納得性のあるもの。 器楽では他に、BWV183でのオーボエ属×4本や、 BWV175でのトランペット×2本+リコーダー×3本など見どころ聴かせどころ満載。 声楽ソロはBCJの最強布陣で、器楽や声楽も通奏低音も含めて万全の演奏ぶり。 BCJ
大島保克ライヴ 2007/02/03 入間市文化創造アトリエAMIGO! [演奏]大島保克(三線と唄)、姜小青(ジャン・シャオチン)(中国古筝)
♪ 前半に八重山民謡、後半に宮古・沖縄民謡とオリジナル曲の構成。 前半は三線の弾き語りで、大島さんの高音域まで滑らかに伸びのある歌声を たっぷり楽しめた。 後半は、姜さんがゲスト参加し、さすがに音に拡がりが出た。 古筝のソロによる伝統曲も2曲披露。 オリジナル曲では定番曲に加えて、夏川りみに提供した「千春坂」の 大島さん本人による初演など、この場限りの貴重なもの。 曲目紹介を交えたトークも楽しい。 会場は昔の繊維試験施設の建物で、定員は100人ほど。暖房設備がなく寒いのは難点だが、ステージはすぐ間近で、雰囲気は非常によろしい。 大島保克
未来への潮流―琉球と大和の伝統が奏でる新たなる鼓動 2007/01/26 文京シビックホール [邦楽スペシャルユニット]池上眞吾、藤原道山、帯名久仁子、平野裕子、HALMAGEN、佐藤秀嗣、 [新良幸人スペシャルユニット]新良幸人、サトウユウ子、真境名陽一、サンデー、 [琉球舞踊]志田真木、東江裕吉、津波ありさ、島袋小百合、浦山真由美、 [司会]玉城満
♪ JASRAC主催の文化事業に当選。邦楽と沖縄音楽の共演によるコンサート。 私の目当ての第2部・新良幸人バンドは、三線と唄、ピアノ、コントラバス、島太鼓 の控えめ目な編成で、じっくり聞かせる内容で、 今までに聴いた新良幸人さんのステージの中で間違いなく最上のもの。 対する第1部の邦楽は、琴4台、尺八、三味線、胡弓、打楽器による合奏自体は 見物だったものの、演奏される曲が至って凡庸だったのが残念。 第3部はこの両ユニットが共演し、更には琉球舞踊が参加。 舞踊は姿も仕草も美しく、特に最後に複数の舞踊が重なる場面には大いに感動。 新良幸人
さだまさしコンサート 2007/01/19 大宮ソニックシティ 2006-2007コンサートツアー「美しき日本の面影」
♪ 恒例の1月の大宮ソニックシティ公演。 最新アルバム『美しき日本の面影』の収録曲を中心に、 全体としてしっとりとした落ち着いた選曲によるステージ。 今回のトークのテーマは「友達」で、それぞれ次に歌われる曲と関連付けてあるため、 いつも以上にじわじわと心に沁みるものがあった。 舞台演出も凝っていて、特に今回は光による演出が印象的。 この日のさださんは、声の調子は今ひとつで、時々ちょっと高音が苦しそう。 バンドはいつもの最強布陣だが、ステージ配置の都合で、 やや上手側の席だった私には、川瀬さん(打楽器)と岡沢さん(ベース)の姿が スピーカーの陰になって*全く*見えなかったのが非常に残念。 さだまさし
沖縄三線ライヴ 2007/01/06 ぐんまフラワーパーク [演奏]石井道康(三線と唄)
♪ ぐんまフラワーパーク「ニューイヤーフェスティバル2007」の邦楽連続企画の中の、 沖縄三線ミニライヴ。 演奏者も曲目も事前には分からず、当初はあまり期待していなかったのだが、 いざ聴いてみて、意外にも素晴らしい演奏内容にびっくり。 出演者は足利在住の石井道康さんで、アマチュアではあるが、 三線の腕前は勿論のこと、朗々とした歌声も、プロ顔負けの見事なもの。 曲目はすべて八重山民謡で、しかも有名曲でないものばかりなのが嬉しい限り。 曲間に、曲の背景や内容について解説してくださるのも有難い。 石井道康

back home mail
(紺野裕幸)

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送