美術館寸評 2000年

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◎=絶賛 ○=よい
2000
タイトル 場所・会場 日付 内容・感想
デ・キリコ展 〜終わりなき記憶の旅〜 Bunkamura ザ・ミュージアム 2000/12/22 空虚感ある「形而上絵画」の人。 神殿、マネキン、馬、ギリシア彫像など、意味は分からなくても、 何か引き付けられるものがある。 制作年代順の展示で作風の変化と回帰も分かる。 質的にはあまりよい作品が集められたとも思えなかったが、 空いていたので絵の中の静けさを満喫できた。 ホームページ
東京大聖書展 東京オペラシティ 2000/11/12 死海文書の断片の現物(こんなに細かい文字だったのか)、グーテンベルク初版本、 最初期の邦訳聖書(有名な「ハジマリニカシコイモノゴザル」の実物も)、 作家(芥川、太宰、遠藤周作、三浦綾子など)が所有していた聖書など 貴重な資料の数々は、キリスト教徒ならずとも興味は尽きない。 人出は凄まじく、午後には入口前に長い長い行列が。 ホームページ
出光コレクションにみる20世紀作家の回顧
ジョルジュ・ルオー展
出光美術館 2000/09/22 ◎ 油彩画を中心に、版画や壷などを含め百点以上もの展示で、 過去に行ったルオー展の中でも圧倒的な充実度。 とりわけ、連作「受難(Passion)」の多くを生で見られたのは嬉しい。 しかもこれらは全て館蔵品。 こんなに凄いコレクションが日本にあったこと自体にも驚いた。 ホームページ
マティスとモデルたち 東武美術館 2000/09/02 ○ 1Fに油彩、2Fにモノクロの版画、3Fに切紙絵という展示構成。 とりわけ3Fの壁一周に飾られた連作「ジャズ」の鮮やかな色づかいには、 さっぱりした気分になる。油彩にも魅力的なものが多かった。 広めに空間を確保した展示で、ゆったり気分で見られた。 ホームページ
エドワード・ホッパー展 Bukamura ザ・ミュージアム 2000/08/15 くっきり際立った光と陰が印象的な、今世紀アメリカの画家。 画面から漂う静けさには、現代的な孤独感が漂う。 売店でノーマン・ロックウェルと並べてあったが、 確かに、静・動、陰・陽の好対照にあるように思えた。 ホームページ
道立旭川美術館 旭川市常盤公園内 2000/08/02 常設展は「幻想の力-作家達の神話」と題して、現代の立体作品を中心に展示。 目当ての舟越桂の展示がなかったのは残念至極。 ロビーにも、更には公園内にも、多数の彫刻作品が設置されている。 情報ページ
三浦綾子記念文学館 旭川市神楽 2000/08/02 ◎ 小説『氷点』の舞台である外国樹種見本林の入口に建つ美しい文学館。 パネルや原稿、出版本などの展示を通じて、三浦綾子さんの文学の全貌を紹介する。 館内は広くはないが、静かで落ち着いた雰囲気。 映画『塩狩峠』のビデオなども鑑賞できる。 現在は「三浦綾子署名本展」と題して、 綾子さんが感謝の言葉を記して夫・光世さんに贈った初版本を特集展示。 付近の見本林の散策も気分がよい。 ホームページ
塩狩峠記念館 JR宗谷本線塩狩駅前 2000/08/01 ◎ 三浦綾子さんの小説『塩狩峠』の現場にある記念館。 建物は三浦夫妻の旧宅を移築したもので、 入口付近には当時綾子さんが営んでいた雑貨店の雰囲気を、 内部には当時の居間などを再現してある。 2Fの部屋では、三浦夫妻の口述筆記を体験できるのが面白い。 付近には、線路沿いに「長野政雄殉職の碑」があり、 三浦夫妻の短歌を並べた散歩道もある。 情報ページ
ラオスの布 古民家「柳」(滑川町) 2000/05/20 ラオス北部で織られた衣装や装飾用などの布を、 古い民家の部屋を利用して展示。 冠婚葬祭用のものが多く、模様も様々な象徴を含んでいる由。 何れも個人が趣味で収集したそうで、 展示品それぞれに詳細な手書きの解説がついているのも有難い。 民家は田畑を望む高台にあり、静かで落ち着いた雰囲気。
丸木美術館 東松山市郊外 2000/05/05 「原爆の図」で有名な丸木位里・俊夫妻の絵を展示。 戦争の悲惨さを描いた巨大な屏風絵の他に、沖縄戦の悲劇を物語る絵本の原画など。 写真では見知っていた絵でも、やはり実物の大きさには衝撃的な迫力がある。 その重苦しい雰囲気を中和するかのように、 位里さんの母・スマさんの素朴な絵も展示。 この日は偶然にも開館記念日で俊さんの追悼イベント中、かなりの人出であった。 ホームページ
デルヴォーとベルギーの美術 埼玉県立近代美術館 2000/05/04 ○ 姫路市立美術館収蔵のデルヴォーの作品を多数展示。 版画やドローイングが主で油彩の展示は少ないものの、暗室を活用して雰囲気抜群。 ひんやりと静かで幻想的なムードは独特のもの。 他にマグリット、クノップフ、アンソールなどの作品も展示。 常設展示は、県にゆかりの作家の作品群、新収蔵品(草間彌生・山本容子)の他、 いつものルオーやシャガールなど。 ホームページ
マルク・シャガール展 埼玉県立近代美術館 2000/01/29 ○ 国内にあるシャガール作品を大集成。 油彩画・版画・ドローイングなど展示点数はすこぶる多く、 とりわけ連作版画のシリーズは充実。 展示方法も気が効いている。 常設展示も絵画から立体作品まで充実した内容で、 更には某大学の卒業制作展示も行なっており、これもまた面白い。 館内の様々な椅子も楽しく、館外の公園の風景もなごむ。 県内にこんな素敵な場所があったとは。 ホームページ

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(紺野裕幸)

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