美術館寸評 2001年

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◎=絶賛 ○=よい
2001
タイトル 場所・会場 日付 内容・感想
カラヴァッジョ 光と影の巨匠―バロック絵画の先駆者たち 東京都庭園美術館 2001/09/29 ○ 須賀敦子「トリエステの坂道」に 出てくるカラヴァッジョと、その後継者の絵画を俯瞰。 暗い背景の中に、細部まで鮮やかに描かれた人物像は、 気疲れがするほどに生々しいが、これぞバロック美術と言うものなのだろう。 館内の混雑ぶりはやや意外。 屋外では「安田侃野外彫刻展」を同時開催。 大理石で出来た巨大なオブジェは、屋内の展示と対照的に和みの印象。 ホームページ
大川美術館 桐生市 2001/08/04 ◎ 桐生の実業家・大川氏のコレクションを元にした市立の美術館。 松本竣介・野田英夫など日本の近現代絵画を中心とした収集方針は明確。 テーマ毎に分かれた館内は、監視員を置いていないこともあって、 居心地よくゆったりと存分に見て歩ける。 幸運にも、たまたま大川館長による解説を拝聴できた上に、 ちょっとお話までさせて頂いた。 ホームページ
如己堂・永井隆記念館 長崎市・浦上 2001/05/03 ○ 自身も被爆しながら、被爆者医療に命を捧げた永井博士の記念館。 博士の住んでいた2畳の小屋・如己堂に隣接。 記念館のパネル展示の、永井博士が妻と最後に会った場面や、 お子さんたちの語る「桃缶」のエピソードには、涙を抑えられず。 ホームページ
長崎原爆資料館 長崎市・浦上 2001/05/03 ○ やや気が重かったが、意を決して足を運んだ。 ヒロシマに比べてナガサキは当時の資料が残っていないと聞いていたが、 それでも、その「時」を生々しく伝える遺物の数々や、 随所に用意されたビデオ画面の惨い映像は、正視に耐え難いほど。 テーマ毎にうまく整理された展示構成で、理性的に原爆の実態が理解される。 ホームページ
孔子廟・中国歴代博物館 長崎市・大浦 2001/05/03 ○ 孔子廟は故宮を思わせる黄色い瓦の堂々たる建物。 併設の中国歴代博物館は、故宮博物院(北京)から借り受けた、 宮廷宝物および古代遺産を展示し、照明を落した館内には荘厳な雰囲気が漂う。 10年振りの来訪。 参照ページ
南山手十六番館 長崎市・南山手 2001/05/03 歴史資料館では、長崎の文化にまつわる資料を展示。 遠藤周作さんが『沈黙』を書く契機となった、 黒ずみ磨耗した「踏絵」の現物を、ここで見られる。 他にも切支丹資料や、グラバー一家の日用品、歴史的なガラス器など豊富に展示。 ホームページ
外海町歴史民族資料館 長崎県西彼杵郡外海町 2001/05/02 外海町の歴史資料を収蔵展示。 昔の生活用品、農機具や漁業器具、池島炭鉱の資料から、 石器などの出土品、切支丹資料、更には姉妹都市の案内まで、雑然と並んでいる。 特に切支丹に関する資料はさすがに充実。 更に、ド・ロ神父記念館(修復工事中)の収蔵品も併せて展示。 神父が地域の人々のために手掛けた分野は、 農業・漁業・産業・土木・建築・医療と驚くべき広範囲にわたっている。 ホームページ
遠藤周作文学館 長崎県西彼杵郡外海町 2001/05/02 ○ 小説『沈黙』の舞台とされた 外海町 の海岸の高台にある文学館。 遠藤さんの書斎や遺品、『沈黙』の自筆稿やパネル展示に加え、 現在は蔵書や交友関係の特集展示あり。 資料室では遠藤さんの諸著作や蔵書の閲覧の他、 映像資料を借りて鑑賞が可能。 展示品の数は多くはないが、海を見渡す絶好のロケーションで雰囲気は極上。 併設の喫茶室も、窓の外は一面の海。 ホームページ
日本二十六聖人記念館 長崎市・西坂公園 2001/05/01 舟越保武氏による26人の祈りの像「日本二十六聖人碑」の裏手に建つ、 切支丹関連資料を集めた資料館。 ひっそりと静かな館内には、 キリスト教の伝来から弾圧時代に至るまでのさまざまな時代資料が並び、 当時の信徒たちも拝んだ聖像の類には厳粛な気分にさせられる。 「三尺牢」の現物(復元)も置いてある。 関連ページ
青木聖吾「目の裏の皮膚」 川口現代美術館スタジオ 2001/03/03 大きなキャンバスに柔らかく拡がる有機的な形状は、 近づいてよく見ると原色による細かな○△□などのの断片から構成されていて、 ちょっと不思議な印象。 会場の川口現代美術館スタジオは、 無期休館中の川口現代美術館の理念を継続すべく自主運営されてきたそうだが、 残念ながら今回の展示をもって閉鎖される由。 ホームページ
イスラエル美術の現在 埼玉県立近代美術館 2001/03/03 ○ 企画展示はイスラエルの現代アート。 さまざまな「物」や映像作品は何れも実験的要素に満ちたものばかりで、 イスラエルという国の複雑さを代弁するかのように、 何やら意味深そうな印象のものが多い。 常設展示室は「風景の楽しみ」と題して、日本・西洋の風景を題材にした絵画集。 他に学生の卒業展示や、怪し気なパフォーマンスなど、見応え十二分。 ホームページ
20世紀美術の形と動き うらわ美術館 2001/03/03 色彩と形から構成された現代抽象画から、 「動き」を目論んださまざまな立体作品まで、盛り沢山。 前半の幾何学的な絵画展示も色取り取りで楽しいが、 後半の立体展示や動きのある作品群は面白く、 特に暗室内に置かれたさまざまな装置類は美術云々を越えて楽しめるもの。 うらわ美術館は、県立近代美術館から徒歩でも20分ほどの場所。 ホームページ
三浦綾子展 東京オペラシティ 2001/02/25 ○ 三浦夫妻の写真パネル(後山一朗さん撮影)、綾子さん愛用の品々や服、 光世さんに捧げられた献辞入りの初版本、自筆原稿などによる、回顧展。 展示空間はさほど広くはなかったが、 旭川の記念文学館でも見られなかった展示品も少なくなく、 わざわざ足を運んだ甲斐があった。 最後の方の遺品の展示には、思わず涙。 ホームページ

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(紺野裕幸)

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