◎=絶賛 ○=よい
2003 |
タイトル |
場所・会場 |
日付 |
内容・感想 |
浜松市楽器博物館 |
静岡県・浜松アクトシティ内 |
2003/12/28 |
◎
開館当初の1996年以来約8年振りの再訪だが、この間に内容は確実に充実。
楽器の音のヘッドフォンでの試聴に加え、
学芸員による実演も交えたガイド・ツアーや、
収蔵楽器によるミニ・コンサートが、日に何度も催されるようになった。
また、アジア〜アフリカ民族楽器が増強され、
和楽器も含めて、まさに世界の楽器の集成という感じ。
各種のガイド・ツアーや実演を随時楽しみつつ、
楽器のサンプル音を次々と聴いて回っていて、
結局私は丸一日ここで過ごしてしまった。
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天下茶屋・太宰治記念室 |
山梨県・御坂峠(河口湖町) |
2003/11/23 |
太宰治が昭和13年秋に滞在した『富嶽百景』の部屋に、5年ぶり3度目の来訪。
記念室が改装され、太宰部屋の隣室で本や写真などの資料を展示するようになった。
展示資料自体は、以前と大差ないようだ。
この日は富士山の眺望が今ひとつだったにも関わらず、
連休のせいか店内は物凄い混雑。
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上村次敏・早乙女幸雄「迷宮と幻影」 |
埼玉県立近代美術館 |
2003/11/15 |
○
埼玉ゆかりの2人の画家。
逆方向の視点から見た絵が合体した不思議な空間を描いた上村、
リアルな風景描写が虚構で枠組みされた早乙女、
どちらも分かり易くしかも面白いもの。
常設展示では、J.タレルの目くるめく電話ボックス、
瑛九の特集、日本画の軸装の解説などが印象的。
一般展示は、現代美術作家数百人の作品を集めた「2003 CAF展」。
多種多様なようで、むしろ現代美術の限界が垣間見える気も。
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ジョルジュ・ルオー 未完の旅路 |
NAISミュージアム |
2003/06/17 |
○
最近開館した、ルオーを常設展示する美術館。
初期作から主要版画作品のシリーズまで広く網羅し、展示点数も多い。
とりわけアトリエに遺された小さめの未完作品群では、
数人の人物のいる道の風景に、作者が何度も何度も取り組んだことが分かる。
解説や随所に掲げたルオー語録も気が効いているが、
会場の開放感のある構造が、ルオー作品の重さに何となく似合わない気も少々。
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舟越桂展 森から来たささやき |
東京都現代美術館 |
2003/05/10 |
◎生で見たいとずっと願っていた舟越作品が、約40点も。
楠によるほぼ等身大の半身像で、リアルなようでいてリアルでなく、
空虚なようでいて意思的な表情を持つ、不思議に静かな魅力あり。
無防備なほどに間近でじっくり見られる展示方法も有り難く、
最新作など木の匂いさえ漂うほど。
創作メモやスケッチなどの断片も展示してあって、作品の裏付けとなる思考や、
詩的なタイトルの背景も伺い知ることができた。
混雑にも関わらず場内が妙に静かだったのも印象的。
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舟越桂 全版画展1987-2002 |
日本橋三越本店 |
2003/05/10 |
舟越さんの全版画作品・約70点を集中展示。
主題は彫刻作品と同じく人間の半身像で、
銅版画から木版画までさまざまな版画技法が駆使されていて、
モノクロもあれば彩色されたものもあるが、
不思議と彫刻作品と同様の静かな雰囲気を醸し出している。
但し、特設会場の脇では子供服大バーゲンで大賑わい、やや騒然としていた。
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埼玉県平和資料館 |
埼玉県・東松山市 |
2003/05/03 |
○
戦争の記録や資料、戦前・戦中の生活用品などを展示。
展示点数は多くはないが、歴史を理解させるための構成は的確。
一般民衆にとっての戦争の資料が多く、
しかも地元の戦争被害も記録が多く含まれるため、
身近なこととして切実に感じさせられる。
8月14日深夜(まさに終戦前夜)の熊谷空襲など、
何のためにと思うとやりきれない気分だ。
地元にこんなに有益な施設があったとは。
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ピカソとマチス 1930〜40年代の版画を中心に |
埼玉県立近代美術館 |
2003/05/02 |
○
互いに親交もあったマチスとピカソ、それぞれの特徴を浮き彫りにする企画展示。
同種の主題に双方が取り組んだ作品を比較できるようにした配置方法や、
モノクロの版画作品が並ぶ中に頃合いよく油彩画や切り紙絵などを置いた構成も、
いつもながら気が利いている。
常設展示室では、ボランティアの美術館サポーターによる作品ガイドを拝聴。
丁寧かつ当を得た解説で、しかも作品や芸術家への愛情が溢れていて、
聴いていて何だか胸が熱くなった。感謝。
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平山郁夫美術館 |
広島県・瀬戸田町 |
2003/03/21 |
◎
平山氏が生まれ育った瀬戸内海の生口島に所在。
作品の大きさが持つ圧倒的な迫力や、細やかな筆遣いや絵具の厚みの実感は、
やはり生で対面しなければ分からないもの。
現在は特別展「日本画の秘密展」を開催中で、
完成した本画と、その制作のために準備された大下図を併置展示し、
日本画の制作過程についても解説。
下図と言っても、むしろ本画以上に詳細極まりない。
結構広い館内だが、絵が巨大なだけに、展示点数は多くはない。
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大原美術館 |
岡山県・倉敷市 |
2003/03/20 |
◎
長年の憧れだった場所についに来訪。
堂々たる建物の中には、選りすぐりのすごい絵がいっぱい。
これだけの絵の現物に対面できることの幸せを感じる。
いわゆる名画だけでなく、邦人作品も含む現代モノも充実しており、
収集への取り組む真剣な姿勢が伝わってくるようだ。
本館の他に、分館(日本の洋画)、工芸館(陶器や棟方志功作品)、
東洋館(中国やアジアの古美術)、児島虎次郎記念館等があり、
何れも見応え十二分。じっくり見て回ると一日掛かりになった。
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おのみち文学の館 |
広島県・尾道市 |
2003/03/19 |
千光寺山の中腹にある文学施設の総称。
「文学記念室」では林芙美子や尾道に関係する文士たちの資料を展示。
係員の方が親切に解説してくれるのは有り難い。
「志賀直哉旧居」は作家が数年間住んでいた長屋の現物。
作家と同じ視点で海を見下ろすことができる。
「中村憲吉旧居」は歌人の臨終の家。
付近には文学碑が点々とならぶ散歩道「文学のこみち」も整備されている。
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有元利夫展 |
東京ステーションギャラリー |
2003/01/11 |
◎
古楽CDジャケットでもお馴染みの有元作品、約200点。
彫刻や陶芸も含め、1996年の展覧会を上回る充実した内容。
バロック音楽に関係した絵も多く、澄んだ音楽を聴くような心持ちがして、
しかも穏やかな宗教画のような崇高さも漂う。
あちこちに有元さんの言葉を沿えてあるのもよい。
運悪く団体さんやNHK取材班と出くわしてしまい、やや騒々しい時もあったが、
いくら見ても見飽きない感じで、足が棒になってしまった。
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参考。
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